こんにちは!千葉と大阪を拠点に、コンディショニングコーチとして活動している、三浦佳祐(みうらけいすけ)です。

前回のコラムで、「地面との付き合い方」について解説しました。

その中で、球技スポーツのような多方向に動く競技だと、素早く細かい動きに適したサイドステップ(シャッフル)と、一歩で大きく距離を稼ぐクロスオーバーという足の運びがあるとお伝えしました。

※詳しくはコラムをご確認ください。

今回は、後者のクロスオーバーについて解説していきます。

目次
  1. 力強い一歩には必要不可欠
    • 特に横や斜め方向に大きく動くスポーツでは重要
    • やはり地面との付き合い方がポイント
  2. クロスオーバーステップを学習しよう
    • クロスオーバー
  3. まとめ

力強い一歩には必要不可欠

特に横や斜め方向に大きく動くスポーツでは重要

陸上の短距離を除き、ほとんどのスポーツは多方向に色々な姿勢で動きます。

(厳密には、陸上も走路によっては身体の使い方は若干異なってきます。)

どのスポーツでも、「一歩目」が重要と言われるのですが、多くのスポーツの一歩目は、横方向や斜め方向に動きます。

例えば野球ですと、後方のフライを追う時、横に飛んだゴロに向かう時、盗塁、打った後の一歩目など、一歩目からいきなり前に加速する局面は非常に少ないです。

バスケット、サッカー、ラグビーなどのフィールドスポーツも同様で、相手の動きに合わせて身体をコントロールし、対象(相手、見方、ボールなど)との距離感に合わせて一歩を踏み出します。

近場での細かい動きではなく、とにかく速く目的に向かって動きたい時、脚は身体の前を跨ぐ(クロスする)ような脚の運びをします。

この脚の運びをクロスオーバーと呼びます。

やはり地面との付き合い方がポイント

このクロスオーバーのステップをする際に、身体の傾きと、地面との付き合い方が重要になります。

つまりどのような角度で地面を蹴って動くかが大事です。

今回のようなケースでは、横や斜めに力強く動く必要があるので、身体もそれなりに傾けなければなりません。

そのためには、身体を適切に傾かせられるだけの股関節や胸周りの可動域が重要になってきます。(この辺りのドリルは、過去のコラムを参考に実施してみてくださいね。)

また、それを駆使して動くための、腕の振りや脚の運びといった使い方も重要です。

今回もドリルを通して、身体の使い方と地面との付き合い方を覚えていきましょう。

※以前にもお伝えしましたが、ドリルを正しい形で行う事ではなく、ドリルによって感覚を掴んでいくことが重要になります。

クロスオーバーステップを学習しよう

クロスオーバー

今回は、クロスオーバーをご紹介していきます。

まずは基本的なパワーポジションから、一歩クロスオーバーをして、再びパワーポジションに戻るというシンプルなのものになります。

  1. パワーポジションから進行方向に対して、前側の足の前側に力を入れて、斜め横に一歩踏み出す。(右側に進む場合、右足の前側で地面を押して動きます。) また、踏み出す時の前側の脚は、若干外を向けておく。
  2. 動く際は「大きく遠くに踏み出す」ことを意識する。
  3. 止まる際は、そのまま身体が横に流れていかないように注意し、パワーポジションに戻ることを意識する。

シンプルですが、上記のポイントになります。

※この類のトレーニングは、文字の解説よりも、動画を見て頂くことを強くオススメします。

このステップを基礎にして、クロスオーバーを2歩連続で行なったり、そこから逆方向にクロスオーバーで切り替えしたり、通常の走りに切り替えたりなど、組み合わせのバリエーションは多くあります。

前回同様で、重要なのは、ステップの形だけをキレイに覚えようとするのではなく、一番効率の良い地面の押し方を、感覚として覚えていくことですね。

そのために、色々な道具を使ったりすることもありますが、今回は一番基礎となる上記のステップを覚えて貰えればと思います。

まとめ

  • 「地面との付き合い方」という、感覚を身に付けるトレーニングを取り入れていこう。
  • 力強く効率的な一歩目のために、クロスオーバーステップの感覚を身に付けよう。

次回は、怪我の予防と瞬発力向上のために重要なトレーニングの解説になります。