魚を食べよう
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スポチューバーTV管理栄養士のはるみ先生です。
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今日のテーマは『魚を食べよう』です。
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はじめに
前回お伝えしました『正しい油のとりかた』のなかで「魚を食べてほしい!」とお話しましたが、魚をしっかり摂ることはできていますか。
魚にはオメガ3系油が多く含まれており、その中でも体にとって重要な役割がある「EPA」と「DHA」が豊富に含まれています。
EPAの主な働きは、血液をサラサラにする効果があります。
一方、DHAは脳や神経組織の発達維持の働きがあるため、学習能力や記憶力を高める効果が期待できますね。
どちらも成長期の子どもにとって欠かせない栄養素ですが、どちらも体内で合成することができません。
必ず食物から摂取する必要があります。
そのため、魚を食べることで成長期に必要なEPAやDHAが効率的に摂取できるので、前回は「魚を食べてほしい!」とお話したわけです。
そして今回は、魚に含まれるオメガ3系油以外の栄養素についても詳しくお伝えします。
魚の種類やさまざまな効果を確認して、身体作りとパフォーマンス向上につなげていきましょう。
魚の種類の分類
魚は大きく分けて「白身魚」と「赤身魚」の2種類に分類されます。
2つの違いは、赤い色素タンパク質が多く含まれているかどうかで区別されています。
具体的には、赤い色素タンパク質が、100gあたり10mg以上あれば赤身魚、100g中10mg以下であれば白身魚です。
ちなみに「青魚」と言われる背が青く見える魚がいます。
青魚は、回遊性と言われる毎年決まった季節に一定の道筋を移動している魚で、色素タンパク質の含有量で分類すると、赤身魚に属します。
これらの魚は、種類によって含まれている栄養素が違うため、体調に合わせて毎日食べてほしいです。
理想的な摂り方としては、毎日1回はメニューに魚を入れるようにしましょう。
魚の栄養素
魚の栄養素は主にタンパク質です。
タンパク質とは、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の一つであり、身体のあらゆる組織を作る材料やエネルギーになります。
また、ホルモンや免疫、神経伝達物質や代謝などにも大きく関わっており、必要不可欠な栄養素です。
もう一つ魚の豊富な含有栄養素として注目したいのは、ビタミンDです。
ビタミンDは、丈夫な骨の成長に欠かせない栄養素になるため、特に成長期には欠かせません。
また、免疫力の向上やアレルギー症状改善の作用もあるため、風邪やウイルスにも負けない強い体作りに欠かせません。
そのため、ビタミンDは習慣的に摂り続けたい栄養素になりますが、含まれている食品が少ないため、多くの人がビタミンD不足の傾向にあります。
そこで、魚を食べることにより、タンパク質とともに必要なビタミンDを効率的に摂ることができるのです。
ぜひ、成長過程に必要な魚を意識して摂るようにしましょう。
次に、今から白身魚と赤身魚の栄養素と効果についてお伝えします。
それぞれ代表的な魚の種類や栄養素を確認しながら、毎日の食卓メニューに積極的に取り入れていきましょう。
白身魚の栄養素と効果
白身魚といえば、淡白な味でタンパク質以外の栄養素が少ないと思っている方も多いようです。
しかし、白身魚には下記のような豊富な栄養素などがバランス良く含まれています。
- 脂質
- ビタミンB群
- ビタミンD
- 鉄や亜鉛
次に、白身魚で代表的な魚と栄養素を見ていきましょう。
始めにご紹介するのが白身魚の定番と言われている「タラ(鱈)」です。
タラは、高タンパク質・低脂質で身もやわらかいため、子どもから高齢者まで食べやすい魚です。
また、ダイエット中の食事としても、しなやかで上質な筋肉を作るための食材として最適です。
タラ100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー72kcal
- タンパク質17.6g
- 脂質0.2g(n-3系0.07g)
さらに、タラはビタミンB12が多いことも特徴です。
ビタミンB12は、タンパク質の合成や脂質の代謝、正常な赤血球を作るのに必要な栄養素になります。
栄養素たっぷりのふんわりとしたタラの食感を味わうには、少量のオリーブオイルでソテーにしてみるのも良いですね。
2番目に紹介する白身魚は「たい(鯛)」です。
たいは、旨み成分が豊富で臭みが少なく、食べやすい魚です。
たい100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー160kcal
- タンパク質20.9g
- 脂質9.4g(n-3系1.78g)
また、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、ビタミンE、セレンが多いのも特徴です。
特に、パントテン酸はビタミンB群の一種でエネルギー代謝や免疫抗体の合成、HDLコレステロールの増加などに関わっています。
さらに、セレンは抗酸化作用があるため、疲労回復や免疫力向上にも効果が期待できます。
育ち盛りの子どもには、栄養素をじっくりととじ込めた炊き込みご飯にして食べると、出汁の香りもたまらなく食欲が進みますね。
3番目にご紹介する白身魚は、子どもから大人まで大好きな「シャケ(鮭)」です。
ここで、シャケの切り身は赤いので、赤身魚ではないの?と思った人も居るかも知れませんが、シャケは白身魚なのです。
ちなみに、シャケの身の赤色部分は、餌として食べたエビのカロテノイド色素の一種であるアスタキサンチンが筋肉に溜まったものになります。
シャケ100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー127kcal
- タンパク質22.5g
- 脂質4.5g(n-3系0.92g)
また、ビタミンE、ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸が多いのも特徴になります。
特に、ビタミンEやアスタキサンチンは抗酸化作用がとても強いため、疲労回復やアンチエイジングにも効果的と言われています。
その他、皮膚炎予防や免疫力向上の効果も期待できるシャケは、そのまま焼いて食べても、おにぎりの具としてご飯にまぶしても食べやすくて、
美味しいですね。白身魚の最後にご紹介するのは「うなぎ(鰻)」です。
うなぎは、疲労回復や夏バテ予防に最適な食材です。
うなぎ100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー228kcal
- タンパク質は17.1g
- 脂質は19.3g(n-3系2.42g)
また、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、カルシウム、セレン、モリブデンも多く含まれています。
特に、ビタミンAが豊富で、胃の粘膜を丈夫にする働きがあります。
さらに、モリブデンは造血を促す効果があるため、貧血予防に貢献します。
うなぎは「土用の丑の日」のように特別な日に食べる高級な食材になりますが、習慣的に摂りたい魚ですね。
赤身魚の栄養素と効果
次に、赤身魚についてご説明します。
赤身魚の赤み成分はミオグロビンという筋肉に含まれているタンパク質になります。
赤身魚は、成長期に不足しやすい栄養素である鉄を多く含んでいるのが特徴で、血合いの部分にはとくに鉄が多いです。
鉄は血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料になるため、鉄不足では赤血球が作れません。
赤血球は体の隅々まで酸素を運ぶ役割をするため、酸素を体の隅々まで運ぶことができなくなります。
鉄が不足すると、次のような症状が出やすくなります。
めまい、頭痛、息切れ、疲労感など
そのため、健康な体を維持するためにも鉄の不足は避けたいところですね。
また、赤身魚の血合いには、鉄以外にタウリンが豊富です。
タウリンは、筋肉疲労の原因となる老廃物の除去を助ける働きがあり、筋肉のダメージやストレスを軽減してくれます。
それでは、次に赤身魚の代表的な魚を紹介していきます。
最初にご紹介するのは高質なたんぱく質で筋肉の修復や成長にも働く「マグロ(鮪)」です。
マグロの赤身は、生食や加熱しても美味しく食べられる上に、貧血予防や疲労回復の効果があります。
マグロの赤身100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー115kcal
- タンパク質は26.4g
- 脂質1.4g(n-3系0.17g)
また、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、マグネシウム、セレン、鉄、亜鉛が多いのが特徴です。
特に、亜鉛は新陳代謝や成長発達に欠かせない栄養素になり、不足すると成長障害を起こしてしまう可能性があります。
そのため、マグロは成長期の子どもに必要な栄養素を含んだ魚と言えます。
ただし、マグロのトロ部位は脂質が多いため注意が必要です。
マグロのトロ部位100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー322kcal
- タンパク質20.3g
- 脂質は28.3g(n-3系6.77g)
トロ部位は、脂質が赤身に比べて約20倍になるため、食べ過ぎには十分気をつけましょう。
2つ目にご紹介する赤身魚は、刺身やたたきで食べることが多い「カツオ(鰹)」です。
カツオは、貧血予防や疲労回復の他にも血行を良くする効果があります。
カツオ100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー150kcal
- タンパク質25g
- 脂質6.2g(n-3系1.84g)
また、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、セレン、鉄、亜鉛が多く含まれています。
特に、ナイアシンの含有量は魚肉中でもトップクラスです。
ナイアシンは血行を良くする働きがあるため、冷え性改善に効果的です。
さらに、エネルギー代謝に大きく関わるため成長段階に必要な栄養素になります。
そのため、カツオは成長過程の子どもの時から多く摂ってもらいたいものですが、そのまま食べるのが苦手な子どももいるでしょう。
その場合は、鰹節でとりましょう。
野菜炒めやサラダにかけたりご飯にかけたりして食べるのがオススメです。
3番目にご紹介する赤身魚は「いわし(鰯)」です。
いわしは、骨や歯を丈夫にする
また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富なため、骨や歯の強化に最適な魚です。
いわし100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリーは156kcal
- タンパク質19.2g
- 脂質9.2g(n-3系2.1g)
さらに、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、鉄、亜鉛、セレンも多く含まれています。
特に、ビオチンは、ビタミンB群に属してビタミンHとも呼ばれており、エネルギー代謝を高め、皮膚や粘膜の維持、髪や爪の健康にも関わる効果
が期待できます。なお、いわしは小骨が多いですが、小骨にはカルシウムが豊富に含まれているため、取り除かずそのまま食べるのが良いです。
さらにいわしを甘露煮で柔らかくして骨を丸ごと食べることができれば、理想的な栄養摂取が実現します。
最後にご紹介する赤身魚は「さば(鯖)」です。
さば100gあたりに含まれている主な栄養素は、次の通りになります。
- カロリー211kcal
- タンパク質20.6g
- 脂質は16.8g(n-3系2.12g)
また、ナイアシン、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、セレンも豊富です。
さらに、さばには血液をサラサラにする効果があるEPAやDHAが多く含まれています。
EPAは炎症を抑える効果があり、DHAは脳や神経組織の発達維持に働くため、子どもの学習能力や記憶力を高めるのにおすすめの魚です。
学習効果を高めるためにも、お弁当の一品に入れておくと良いですね。
青魚とは
最後にお伝えする魚の種類は、背が青い魚である「青魚」です。
青魚は、外から見ると青い魚ですが、血合いが多いため、赤身魚に属しています。
そのため、今まで魚の種類別に「白身魚」と「赤身魚」を紹介してきましたが、青魚は「赤身魚」になるので間違わないようにしましょう。
代表的な青魚は、マグロ、カツオ、あじ、さば、いわし、さんま、ぶり、かんぱち、さわらなどです。
料理の際には、血合いの部分は取り除かず食べることがポイントです。
血合いの部分は、身の部分より鉄やタウリンなどたくさんの栄養素が含まれているためです。
なお、臭みが気になる場合は、生姜を使ったり酒をふりかけて臭みを消すと食べやすいのでおすすめです。
まとめ
今回は「白身魚」と「赤身魚」、外から見ると青い魚で赤身魚に属する「青魚」について、効果や食材をご紹介しました。
まとめると、白身魚は脂質が少なめで、ビタミンB群、ビタミンD、さらに鉄や亜鉛などのミネラルもバランスよく含まれています。
高タンパク質で低脂質で、臭みが少なく食べやすいため、ぜひ積極的に「白身魚」を食べてほしいです。
また、赤身魚は、DHAやEPAなどの脂が多く、ビタミンB群、ビタミンD、亜鉛などのミネラルもバランスよく含まれており、鉄やタウリンなどは白身魚より豊富です。
そのため、育ち盛りの子どもにとって必要な栄養価の高さを考えると、背が青い青魚を含む「赤身魚」をおすすめしたいです。
なお、EPAやDHAが豊富に含まれているオメガ3の中学生の目安量は、2.1gになります。
さらに、オメガ3を白身魚や赤身魚からバランス良く摂取するには「イワシ2匹、鯖半身、サンマ1匹、シャケ切り身200g、マグロトロ3切」になるので参考にしてくださいね。
そして、中学生の成長期に必要な魚を食べることを習慣にするためにも、先ずは毎日100g程度の魚を摂ることを心がけましょう!
次回のテーマは『疲労回復する食事と生活習慣』です。
お楽しみに!
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