皆さんこんにちは。管理栄養士のはるみ先生です。

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今回はジュニアアスリートの為の栄養学についてお話していきます。

今年度は、動画の長さを少し短く、そして回数を多く発信していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

今回の動画は、選手であるお子様とご一緒に見ていただければと思います。

メニュー
  1. IOCの合意声明
  2. たくさん食べること=食トレの嘘
  3. 五大栄養素の働き
  4. 栄養バランスが大切なワケ
  5. タッパー飯の是非
  6. 一汁三菜で食べる
  7. まごわやさしい
  8. レシピ紹介
  9. まとめ
ジュニアアスリートの栄養学 栄養バランス編(組成)

今回のテーマは「身体は食事からつくられる」です。 

昨年までは「基礎編」として展開していた内容です。

皆さまは普段から、競技に関する練習方法やトレーニングについては興味を持っているかと思います。

今後は、皆さまの身体をつくる食事にも大いに興味を持っていただきたいと思います。

アスリートの身体は、食べたものでできているのですから!

IOCの合意声明

IOCの合意声明についての画像

もうすぐオリンピックが始まります。IOCの合意声明を知っていますか?

IOC( International Olympic Committee)とは、国際オリンピック委員会のことです。

その合意声明にもスポーツ食についてこのような明記があります。

「食べ物の量・組成・そしてタイミングは運動能力に大きな影響を及ぼす」

「普通に入手できる多くの種類の食品から適切なエネルギーを摂取していれば、トレーニングや競技に必要な炭水化物、タンパク質や脂質死して微量栄養素の必要量を摂ることができる」

食べる量・栄養バランス・タイミングはスポーツ選手にはとても大切です。

しかし、「これを食べると運動能力が高まる!」といった魔法のような食べ物はありません。
では、スポーツ選手はどのような食事をすればよいのでしょうか?

答えは簡単、近所のスーパーで買い揃えた食材で、家族と同じ食事をすれば良いのです。

スポーツ選手だから「特別な何か」を作ってもらう必要は全くありません。

「アスリートの食事は、一般の人と同じ食事で良い」ということを覚えておきましょう!

たくさん食べること=食トレの嘘

「たくさん食べろ」と言われることについての解説画像

「たくさん食べなさい」とチームで言われるけど、どうしたら良いの?といった質問がよくあります。

その他の質問

  • Q. 白米もたくさんたべるべき?
  • Q. 油はあまりとらないほうが良い?
  • Q. 肉を食べると良い?
  • Q. 補食は練習後30分以内で食べたほうが良い?
  • Q. これを食べると良いという食べ物は?
  • Q. プロテインを摂るべきか?
  • ...etc

スポーツ食に関して、あれこれとお悩みかと思いますが、一番大切なことは、栄養バランスを考えて食べることです。

皆さんは成長期でしかも、運動をしているアスリートですよね。

もう1つ大切なことをお伝えします。

それは「競技能力が向上するための身体をつくること」です。

  • 怪我をしない身体
  • 良い筋肉をつくる
  • 身長を伸ばす

この3つがとても重要です。

五大栄養素の働き

五大栄養素の働きについての画像

では、「競技能力が向上するための身体をつくる」ための栄養素バランスを詳しく見ていきましょう。

まずは、五大栄養です。

皆さん、家庭科でもう習いましたか?
まだ習っていない子どもたちは、今後習うでしょうからこの動画を見てよく覚えておきましょうね!  

五大栄養素は以下の5つで構成されています。

  • 炭水化物
  • 脂質
  • タンパク質
  • ミネラル
  • ビタミン

この5つの栄養素のバランスを気にかけていくことが重要です。

炭水化物

主食で、エネルギーになる元となります。

脂質

みんなの大好きな天ぷらやお肉の脂も身体のエネルギーになります。

しかし、食べ過ぎると脂肪になるので注意しましょう。

 

タンパク質

タンパク質は細胞の栄養素になるものです。

筋肉をつけるため、身長を伸ばすためには、細胞に栄養を送らなければいけません。

ですからタンパク質はとても重要な栄養素なのです。

しかし、これら3つの栄養素をたくさん摂るだけでは不十分なのです。

残りの2つの栄養素、ミネラルとビタミンが整っていなければエネルギーを作り出すことはできません。

当然のことですが筋肉を育て身長を伸ばすこともできません。

ミネラル

骨や細胞にたくさん蓄えられており、主に身体の組織を作っています。

特にカルシウムやマグネシウムは身体の調子を整え、丈夫な骨をつくる働きがあるので、不足してしまうと骨折に繋がります。

ビタミン

身体の調子を整える働きを持っているので、これもしっかりと摂ることが重要です。

栄養バランスが大切なワケ

栄養バランスが大切なワケを解説

この5つの栄養素をしっかりと摂取することで、栄養素同士が関係しあって身体は動いています。

この中の1つでも不足していると、不足している栄養素を基準に栄養バランスが整えられてしまいます。※テキスト図表参照

適切な量の栄養素を摂取できていても、余分に摂った栄養とし便や尿となって排泄されてしまうのです。

「この食品は体にいいから!」「これで、身体は大きくなる!」といった言葉に惑わされてたくさん食べても、不足した栄養素があるとそれは無駄になってしまいます。

まず、皆さまが考えないといけないことは、不足した栄養素をなくすということなのです。

 タッパー飯の是非

ボーイズリーグ東日本ブロックの指導者講習会で質問・相談された内容をご披露します。

食トレと称し、3合のご飯をタッパーに入れて食べることを義務付けられているが、スポーツ栄養学的にいかがなものか?という質問がありました。

たくさん食べられることは素晴らしいことだと思います。
しかしながら、ご飯だけをたくさん食べることが目的になっていませんか。

大切なのは栄養バランスですから、炭水化物以外の栄養も整っていないと強い身体はできません。

他のおかずがあるとご飯を全部食べられないので、ご飯+ふりかけ、ご飯にお茶づけ、というた摂り方は論外、本末転倒ですよ。

一汁三菜で食べる

一汁三菜で食べるに当たり、一般的な人とアスリートの目安を比較

繰り返しになりますが、食事は一汁三菜が基本。

これに果物、乳製品を追加することでアスリート食となります。

大切なのは「まごわやさしい」食材を毎食使用することです。

まず、一汁三菜は日本人の昔ながらの食事摂り方ですよね。

主食のご飯に汁物、そしておかずを3品摂る献立ということです。

主食

運動をしていない方は毎食1つ程度を摂っていただきたいです。

ただ、スポーツをしている子は2つ、ご飯を2杯食べてください。

2杯は食べられない子は、汁物の中にそうめんを入れたり、パンを一枚余分に食べたりするといった方法で大丈夫です。

主菜

肉や魚、大豆製品そして卵といったタンパク質が豊富に含まれる材料で整えていきましょう。

運動をしていない方よりも1.5〜2倍摂ることがポイントです。

毎食2個を目安に摂っていきましょう。

1つのもので大きなものを食べるより、2種類のものを1つずつ揃えると、栄養価が高まります。

副菜

汁物一品、副菜を二品摂りましょう。

主に野菜中心ですが、タンパク質や、摂りにくいカルシウムを少し足しても良いかと思います。

  • 副菜の中に乳製品を入れる
  • じゃこを入れる
  • 枝豆を入れる

など、チョットしたアレンジをすると良いでしょう。

汁物

血圧が高いお父さま方だと、汁物は1日に1食のみと言われている方もいらっしゃると思います。

しかし、スポーツをしている子に関しては、水分補給や、ミネラルの補給にもなりますので、汁物は毎食付けていただくと良いと思います。

果物

1日に1つが目安ですが、アスリートの子たちは、活性酸素除去がとても大事です。

1日に2つ摂りましょう。

1食で2つ摂るのではなく、3食に分けて2つ分摂ると良いです。

例えば、アスリートが1日に摂るべき果物の量は、みかん2つとキウイフルーツ1つなので、2食に分けてみかん1つとキウイを半分〜1つづつを食べる、といった摂り方です。

乳製品

運動をしていない人は1日1回、200cc摂れば良いのですが、小学生は2杯(400cc)飲んでいただきたいです。

アスリートは3杯(600cc)飲みましょう!

これも、1日の中で回数を分けて飲んでも大丈夫です。

また、食材として食事に取り入れても良いと思います。

例えば、チーズを使ったりポタージュの中に牛乳を入れたりすることもおすすめです。

こうして一汁三菜を整えていきますが、これだけではまだ整いません。

まごわやさしい

まごわやさしいの詳細と、実例

ここに、全てのまごはやさしいの食材を入れましょう。

【ま】豆

【ご】ごま、ナッツ類

【わ】わかめ(焼海苔や昆布も含みます)

【や】やさい(色の濃い野菜や根菜類をしっかりと!) 

【さ】魚(海老や貝類、じゃこ、鰹節も含まれます)

【し】しいたけ(きのこ類)

【い】芋

魚はたくさん摂れていますか?

一週間の中で1,2回しか摂れていない…なんて話も聞きますが、できれば毎日摂ってください。

1日の食事は3食あるわけですから、そのどこか1食で魚が摂れると良いと思います。

また、切り身魚だけでなく、じゃこや海老、貝類そして鰹節も「さ」に含まれるのでうまく取り入れてみましょう!

例)野菜炒めの中に鰹節を入れたり、サラダに混ぜたり…

まごわやさしいの全てが入っているのかを毎日チェックしてみてください。

和食の献立で揃えなくても、洋食の中にまごわやさしいを加えていただけると、栄養バランスも整っていきます。

今後は、洋食×まごわやさしい レシピも紹介しますので、是非、ご覧になってください。

レシピ紹介

【主食】雑穀米(にがり入)

【主菜】手羽元と野菜のマーマレード煮

【副菜1】人参とカッテージチーズとみかんのマリネ

【副菜2】トマトとアボカドの塩昆布サラダ

【汁物】 豆腐と鰯のつみれ汁

ジュニアアスリート育成のためのレシピ

今回のまとめ

  1. トレーニングと同じくらい食事にも興味をもとう
  2. 栄養素の不足がないように食べる
  3. 成長分、運動後の疲労回復、運動時の必要栄養素を加味して食べる
  4. 一汁三菜+果物+乳製品でとる
  5. まごわやさしい食材を使う

はるみ先生のイメージ

はるみ先生

次回もお楽しみに〜!

今回使用したテキストはこちらからダウンロードできます

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