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野球における「声出し」「声かけ」の重要性について

河合 亮

こんにちは!スポチューバーTV野球技術担当の河合です。

今回は、野球の練習や試合時における「声かけ」や「声出し」の重要性についてお伝えしていきます。

昔から野球界では、「大きい声を出そう!」「返事ははっきり!」など声を出すこと、声をかけることが重要視される傾向があります。

もちろん私も声を出すこと、声を掛け合うことは大切だと思っているのですが、ではどのような声の出し方、声のかけ方が必要なのか?

そもそも何の為に声を出す必要があるのか?
声出し・声かけの目的についてもお伝えしていきます。

選手としては

  • なんとなく指導者から言われるから声を出さないといけない
  • 声を出すことが当たり前

という感覚になっている場合も多いと思います。

なんとなく出すのではなく、きちっと「何のために出すのか」を意識して出すことで効果的な声出しや声かけになると思っています。

それでは解説していきます。

「声を出す」3つの目的とは?

声を出す、掛け合う目的としては3つの考え方があると思っています。

① 相手の行動を促す「指示」の声

これは、一番良く使われる声かけで、特に指導者から選手に「こうしてほしい」と思う時に使います。

例えば、

  • 荷物をしっかり整理して欲しい
  • きちんと整列してほしい
  • 守備位置を変えて欲しい
  • スイングをもっと強く振って欲しい

など、次にどういう行動をしてほしいのかを明確にする際に使います。

次の行動が明確になることで、選手としては集中力が上がり動きやすくなったり、不安が減ったりします。

一方で、指示の声はその指導者のもっている気持ちの前提(「指示した通りにしないとダメだぞ!」)によっては、選手に命令として響きます。
選手としては命令と感じることで、「やらなければいけない」「そうできなければダメだ」という思考になり、不安を生み、萎縮したプレーが目立ってきます。

これは、だいたい選手の顔を見ればわかりますね。

指示の声かけはとても重要ですが、それだけでは選手の心が不安や恐怖に傾くことがあり、思い切ったプレーができなくなります。

指示の声かけに加えて大事なのが、心をサポートする「支援」の声かけです。



② 相手の心をサポートする「支援」の声

野球では、次にどんな行動が必要なのかを「指示」の声かけで確認し合うことに加えて、その行動をどんな気持ちでやれるのかがパフォーマンスを最大化するために必要です。

不安や恐怖の中でプレーするのではなく、安心や希望を抱いて次やるべきことが明確であればパフォーマンスは最大化します。

そのためにも、気持ちを安心させたり前向きにする「支援」の声かけがとても重要です。
これは、多くの指導者が忘れがちですね。

選手に懸命に指示を出しているのだけど、選手は硬い表情で緊張しながら聞いていたり、返事をする。
そこに余裕ある雰囲気やリラックスして集中している感じはないことが多いですね。

支援の声かけは、応援するような感じに近いです。
保護者の方がよく応援すると思うのですが、あれは心をサポートする支援の声かけですね。


「応援しているよ」

「ふぁいと〜♫」

「思い切ってプレーしよう」

「一生懸命を楽しんで!」

「今できることに集中しよう!」

「次のプレーに集中していこう!」

指導者も結果を指摘するだけだったり、指示を出すだけにならず、選手の話を聞いてあげて安心感を持たせてあげたり、選手の「次はこうしたい!」という気持ちを引き出すような問いかけや声かけができることも重要です。

③ チームの士気を高める「士気」を上げる声

最後に、「大きな声を出そう!」、「元気よく声を出そう!」という声出しの効果についてお伝えしていきます。

大きな声を張り上げることで、チーム全体の士気を高めたり、個々人の気持ちを切り替えるときにも使えるのではないかと思っています。

人は元気がないときや不安なときは声が小さくなるものです。

例えばエラーしたときやピンチの時にその不利な状況に流されず、自分の中の気持ちを整える目的で「大きな声を出す」こともひとつの手段になると思っています。

ただこれは、当てはまる選手と当てはまらない選手もいると思います。

声を出さずにその他のアクションなどで思考や気持ちを切り替えられる選手もいますので、ひとつの手段として考えたほうがベターです。

またチーム全体の士気を高める効果は少なからずあるのではないかとも思います。

これは大きな声を出すことで、音の波(音波)が自チームに伝わり、士気(戦う意気込み)が上がると考えています。

まとめ

声出しや声かけには3つの目的がある。

  • 「指示」の声かけで「次何をやるべきかを明確にする」
  • 「支援」の声かけで「いまこの瞬間に集中できる心をつくる」
  • 「士気」の声出しで「自チームの戦う意気込みを高める」

執筆者

河合 亮

JBS武蔵 コーチ