こんにちは!千葉と大阪を拠点に、コンディショニングコーチとして活動している、三浦佳祐(みうらけいすけ)です。

今回は、ストレッチ効果が増大する身体の作用「相反抑制」について解説します。

相反抑制を利用した股関節のエクササイズも紹介しますので、是非、動画とともに参考にしてください。

目次
  1. 相反抑制とは?
    • 身体の反応を理解する
    • トレーニングにも応用できる!
  2. 相反抑制を利用した、股関節のエクササイズ
    • アイアンクロス
  3. まとめ

相反抑制とは?

身体の反応を理解する

相反とは、文字の通り、「お互いに反対である」ということを意味します。

筋肉には必ず表と裏があり、相反する作用によってONの状態とOFFの状態を切り替えます。

表の筋肉に力が入って縮んでいる時[ON]、裏の筋肉は弛緩しています[OFF]。

これは全ての動作に当てはまります。

例えば、力こぶを作った時に

  • 腕の前の筋肉はこぶを作るように縮む[ON]
  • 裏にある二の腕の筋肉は緩む[OFF]

二の腕の筋肉が緩まなかったら、肘を曲げて力こぶを作ることが出来なくなります。

キックするように、脚を前に振り上げた時は、

  • 太ももの前が縮む[ON]
  • 裏面が緩みます[OFF]

この時、裏面の筋肉が過剰に固いと、前に振り上げるのを制限してしまいます。

腰の筋肉が張っていて痛みがある時、腰のマッサージだけでなく「腹筋を鍛えよう」と言われるのは、この相反抑制という観点から言うと、とても重要になってきます。
(ただ、実際に腹筋と言ってもやり方は色々ありますので、そちらは別のコラムでご紹介します。)

トレーニングにも応用できる!

相反抑制は、トレーニングにも応用できます。

例えば、皆さんも前屈をしてみてください。

多くの人は、太もも裏に伸張感があると思います。

では、この状態で更に膝を伸ばすように、太ももの前に力を入れてみてください。

太もも裏の伸張感が強くなったのが分かりますか?

これは簡単な一例ですが、伸ばしたい筋肉と逆側の筋肉に、あえて力を入れて縮めることで、伸ばしたい筋肉が一層伸ばされ、それによって緩んでいく作用が働きます。

実は、本コラムで紹介しているダイナミックストレッチの多くは、この作用を利用しています。

本日紹介するエクササイズも、この「伸ばしたい筋肉と反対側の筋肉を縮める」という事を意識して行ってみてください。

相反抑制を利用した、股関節のエクササイズ

では、相反抑制の特徴を生かしたエクササイズを実践してみましょう。

アイアンクロス

  1. 仰向けに寝て、両手を広げた十字架のような姿勢を取る。
  2. そこから右脚を左手に向かって近づけていく。
    その際、勢いは付けずに、太ももの前に力を入れながら、地面ギリギリの所で動かしていく。
  3. 限界の所で3秒間力を入れ続け、元の十字架の姿勢に戻る。

この動作を左右3~5回ずつ繰り返す。

1回ごとに、つま先が手に近づいていくのが分かると思います。

まとめ

  • 相反抑制は身体のあらゆる動作中に起こる
  • 相反抑制をストレッチにも応用して、効果を高めていこう!

次回は、野球などの投球動作があるスポーツに必要な、肩甲骨回りのエクササイズを紹介します!