相反抑制を使って、可動域を一気に広げよう!
こんにちは!千葉と大阪を拠点に、コンディショニングコーチとして活動している、三浦佳祐(みうらけいすけ)です。
今回は、ストレッチ効果が増大する身体の作用「相反抑制」について解説します。
相反抑制を利用した股関節のエクササイズも紹介しますので、是非、動画とともに参考にしてください。
目次
- 相反抑制とは?
- 身体の反応を理解する
- トレーニングにも応用できる!
- 相反抑制を利用した、股関節のエクササイズ
- アイアンクロス
- まとめ
相反抑制とは?
身体の反応を理解する
相反とは、文字の通り、「お互いに反対である」ということを意味します。
筋肉には必ず表と裏があり、相反する作用によってONの状態とOFFの状態を切り替えます。
表の筋肉に力が入って縮んでいる時[ON]、裏の筋肉は弛緩しています[OFF]。
これは全ての動作に当てはまります。
例えば、力こぶを作った時に
- 腕の前の筋肉はこぶを作るように縮む[ON]
- 裏にある二の腕の筋肉は緩む[OFF]
二の腕の筋肉が緩まなかったら、肘を曲げて力こぶを作ることが出来なくなります。
キックするように、脚を前に振り上げた時は、
- 太ももの前が縮む[ON]
- 裏面が緩みます[OFF]
この時、裏面の筋肉が過剰に固いと、前に振り上げるのを制限してしまいます。
腰の筋肉が張っていて痛みがある時、腰のマッサージだけでなく「腹筋を鍛えよう」と言われるのは、この相反抑制という観点から言うと、とても重要になってきます。
(ただ、実際に腹筋と言ってもやり方は色々ありますので、そちらは別のコラムでご紹介します。)
トレーニングにも応用できる!
相反抑制は、トレーニングにも応用できます。
例えば、皆さんも前屈をしてみてください。
多くの人は、太もも裏に伸張感があると思います。
では、この状態で更に膝を伸ばすように、太ももの前に力を入れてみてください。
太もも裏の伸張感が強くなったのが分かりますか?
これは簡単な一例ですが、伸ばしたい筋肉と逆側の筋肉に、あえて力を入れて縮めることで、伸ばしたい筋肉が一層伸ばされ、それによって緩んでいく作用が働きます。
実は、本コラムで紹介しているダイナミックストレッチの多くは、この作用を利用しています。
本日紹介するエクササイズも、この「伸ばしたい筋肉と反対側の筋肉を縮める」という事を意識して行ってみてください。
相反抑制を利用した、股関節のエクササイズ
では、相反抑制の特徴を生かしたエクササイズを実践してみましょう。
アイアンクロス
- 仰向けに寝て、両手を広げた十字架のような姿勢を取る。
- そこから右脚を左手に向かって近づけていく。
その際、勢いは付けずに、太ももの前に力を入れながら、地面ギリギリの所で動かしていく。 - 限界の所で3秒間力を入れ続け、元の十字架の姿勢に戻る。
この動作を左右3~5回ずつ繰り返す。
1回ごとに、つま先が手に近づいていくのが分かると思います。
まとめ
- 相反抑制は身体のあらゆる動作中に起こる
- 相反抑制をストレッチにも応用して、効果を高めていこう!
次回は、野球などの投球動作があるスポーツに必要な、肩甲骨回りのエクササイズを紹介します!
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