パフォーマンスを上げるために、どの要素に着目するか
こんにちは!千葉と大阪を拠点に、コンディショニングコーチとして活動している、三浦佳祐(みうらけいすけ)です。
前回は、「上達するためのトレーニングの考え方」と題してコラムを書かせていただきました。
今回はそのトレーニングをどういった部分から行っていくのがより効果的かということをお伝えします。
まずはおさらいです。トレーニングは技術を向上させるための「準備」であり、スポーツのパフォーマンスを向上させるための手段の一つというお話をしました。
パフォーマンスというものをピラミッドにして例えるのであれば、その頂点が技術になります。
そして、その土台になる中間層に体力があります。
体力とは、皆さんのイメージするトレーニングで鍛えるような、筋力や、持久力、パワーやスピードと呼ばれるような要素です。
ここまでは何となくイメージが出来ると思います。
しかし、体力の更に下の土台として、最下層にある大切なものを忘れがちです。
それは、「身体がそもそも動く状態にあるのか?」「自分の身体の動かし方は正しいのか?」ということです。
では、「身体がそもそも動くか?」とはどういうことでしょうか
「柔軟性」といえばイメージしやすいかもしれませんが、単純に身体の硬い、柔らかいを言っているのではありません。
身体を、「捻る」「曲げる」「伸ばす」など様々な動きを、コントロールしながら出来るかどうかという能力が重要になります。
また、実は柔軟性は問題ないんだけど、「動かし方を知らない」せいで、動きに制限がかかっているということもあります。
実はこれが大半なのです。
仰向になり、片脚を、膝を伸ばしたままあげるという動きをします。
これを体験すると、ほとんどの人は太もも裏のストレッチを感じ脚が上がらないと、「太もも裏が固い」と解釈すると思います。
では、そのまま脱力して、上げてある脚を他人に少しだけ押してもらうとどうでしょうか?
これで急に脚が動く人が非常に多いのですが、そうなると、身体が固いわけでは無く、「脚の上げ方を知らないだけ」と解釈することが出来ます。
脚を上げる際に、力みが生じたり、動きをコントロール出来なかったりして、正しく脚を上げるという動作が出来ないのです。
この例は動画で解説しますので、チェックしてみてください。
話を戻します。
パフォーマンスをピラミッドに例えて説明します。
パフォーマンスのピラミッド
- 上段:技術
- 中段:体力(筋力、持久力、パワー、スピードなど)
- 下段:身体を正しく動かす能力
自分自身のピラミッドを書いてみよう!
ポイントは「ピラミッド」ですから、下段にある土台、つまり身体を正しく動かす能力が一番大切なのです。
土台が広くしっかりしていないと、高いピラミッドつまり体力や技術を積み上げることはできませんよね。
では、現状の自分自身はどんなピラミッドなのか、イメージしてチェックしてみましょう。そうすることでこれから力を入れて取り組むべき課題が明確になりますよね。
トレーニングを真面目にやっていて、体力は伸びているのだけれど、身体の動かし方を知らない選手は以外にも多いのです。
例えば、筋力が凄く強いのに、まともにしゃがむことが出来ない選手などはこれに当たります。(結構いますよね?)
こういった選手は、今のトレーニングを継続し、時には内容を見直しながら、身体の動かし方を整えるためのエクササイズも導入していくべきです。
また、姿勢は綺麗で、マットや床で行うストレッチなどをしなやかにこなす(イメージはヨガやピラティスの先生みたいに)のに、腕立てが1回も出来ない選手。
こういった選手は、段階的に負荷を上げて、トレーニングを取り入れていくべきです。
そして、身体はしなやかに動いて、体力もあるけど、一向に技術が上がらない選手。
こういった選手は、怪我の予防のためにも、今のトレーニングを継続しながら、しっかりと技術練習に取り組むべきです。
最初のコラムにも書きましたが、結構多いのは、最後に記載したような選手が、トレーニングで技術の問題を解決しようとしてしまう傾向にあるということです。
たしかに色々と試すのは重要ですが、トレーニングと技術は、いくつかの類似点はあるにせよ、根本的な部分が異なるので、頭を一度クリアにして取り組んだ方が良いでしょう。
次回からは、エクササイズの実技をふまえて解説していきます。
最初は、下段の身体の動かし方について触れていきたいと思います。乞うご期待!
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