試合で活躍するための身体作り! 5大栄養素を不足なく摂る勝利の方程式
はじめまして。管理栄養士のはるみ先生です。
東京と千葉県を中心に、ジュニアアスリートのお母さま向けの栄養指導を行っています。
今回からボーイズリーグのお母さまに向けた、スポーツ栄養学の連載を書かせていただきます。
昨夏の8月、カルリプケン世界大会に出場する日本代表チームに2週間ほど帯同しアメリカ遠征の栄養管理を行ってきました。
また、12月には東日本ブロックの指導者講習会で講演させていただくなど、ボーイズリーグ様には色々なところでお世話になっております。
このコラムは、お母様にも選手の皆様にも読んで欲しいと考えています。
コラムとあわせてYouTube動画もアップしていますので、ご覧いただくと理解しやすいと思います。
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ジュニアアスリートにとっての理想の身体
一流のアスリートは自分の身体を知っている
ジュニアアスリートにとっての強い身体(理想の身体)について考えてみましょう。
選手の皆さんは、自分が憧れるプロ野球選手の身長と体重を知っていますか。
どんな競技でもスポーツ選手は身体が資本ですから、自分の身体をよく知っていてチェックをおこたりません。
アスリート(競技者)の卵である君たちも、自分の身体に興味をもち、いつもどんな状態にあるかを知るところからはじめてみてはどうでしょうか。
男子も女子も中学期に身体は最も成長します。こまめに自分の身長や体重をチェックしノートに書きとめておくとよいでしょう。
中学生、特に身長が伸びている間は、筋肉を大きくし体重を増やすことよりも背を高くすることの方が大切だと私は考えています。
どんな身体を手に入れたいか、アスリートとしての自分の理想の身体(=強い身体)のイメージを作ってみましょう。
中学1年から学年ごとに書いてみると目標ができはげみになりますね。
50メートル走のタイムや遠投など運動能力も一緒に書いておくとよいと思います。
身近にいる目標とする先輩に身長や体重などを聞いてみるのも参考になりますね!
甲子園に出場する高校球児の身長や体重、運動能力をチェックするのもよいですね。
例:中学3年(4月)
- 身長 173センチ
- 体重 60キロ
- 5メートル走 6,7秒
- 遠投 80メートル
- 筋肉の柔軟性 開脚や前屈ができる
- 関節の可動域 股関節が正しく使える
- 強い体幹 また割りの姿勢が正しくできる
- 怪我や病気をしない
などなどたくさん書き出してみてください。
そして、以下のことを習慣化しノートにメモしましょう。
- 身長:中学生の場合は2週間に1回は計測
- 体重:朝食前と帰宅後の空腹時に計測
- 毎日食べたもの
- 便
- 睡眠
- 体調
私たちの身体は、私たちの食べたものでできている
栄養バランスのよい食を摂ることこそがスポーツ栄養学の基本
本題にはいります。栄養バランスの良い食事とは5大栄養を不足なく摂とれている食事です。
人は体の中でつくれない栄養素を食事から摂らなければなりません。
そしてこの5大栄養素が関わりあって体を動かすエネルギーになったり、体をつくる材料になったりしているのです。
次の図の5大栄養素とその働きをご参考ください。
しかし一つでも不足する栄養素があると、折角とった栄養素の体内での利用効率が下がってしまいます。
どんなにたくさんご飯を食べても、ビタミンやミネラルが不足しているとエネルギーはうまくつくれません。
タンパク質を沢山とってもビタミンやミネラルが不足していると筋肉はつくられないのです。
アスリートにとっての理想の食事
私たちの身体は私たちが食べたものでつくられます。
これを食べれば「勝てる」「強くなる」という特別な食事、アスリート用の食事なんてありません。
強い身体をつくるためには毎日のバランスのとれた食事が一番大切なのです。
国際オリンピック委員会(IOC)は、スポーツ栄養に関する合意声明にアスリートの食事について次のように記載しています。
IOCの合意声明
「食べ物の量・組成・そしてタイミングは運動能力に大きな影響を及ぼす」
「普通に入手できる多くの種類の食品から適切エネルギーを摂取していれば、トレーニングや競技に必要な炭水化物、タンパク質や脂質、そして微量栄養素(ミネラルやビタミン)の必要量を摂ることができる」
スポーツ選手の食事 = 一般人の食事
つまり、オリンピックに出場する一流のアスリートであっても、毎日の食事からバランスよく栄養素を摂ることが大切であると述べているのです。
毎日の普通の食事にひと工夫、「チョイかけ」「チョイたし」で完璧なアスリート食に!
私のスポーツ栄養指導は、普通の家庭料理を基本にしています。スーパーマーケットで買える普通の食材を使用します。
これにひと手間、ひと工夫。「なにを」を食べたらよいかを勉強しましょう。
はるみ先生流スポーツ栄養学
アスリートの食事は、「What(なにを)」「When(いつ)」「How(どのくら、どうやて)」食べるたらよいかが大切。マラソンは食事の成否が勝敗を分ける!
日本の家庭料理の基本は一汁三菜です。
ジュニアアスリートの食事はこれに果物と乳製品をプラスすればよいのです。
ところが、最近は日本人の食の欧米化が進み、わかめなどの海藻類、ゴマや大豆製品など日本古来の食材を摂りづらくなっています。
これらの食材はミネラルやビタミンが豊富に含まれます。
この不足を補うために、「まごわやさしい」を「チョイたし」「チョイかけ」する。
このひと手間だけで、毎日の食事が理想のスポーツ食に変身します。下の図表を参考にしてください。
忙しくてお弁当が作れない、そんな時は「ほか弁」や「コンビニ弁当」でも大丈夫ですよ。
そんな時も果物とヨーグルトなど乳製品を「チョイたし」することをお忘れなく!
5大栄養素は毎食ごと不足なく摂ることが理想ですが、どうしても摂れない場合は、一日を通して摂取するように心がけましょう。
毎日の食事に「チョイかけ」「チョイたし」。スーパーで買える普通の食材を使い、誰にでも簡単にできる主婦目線のスポーツ食をご提案できればと考えています。
まとめ
- 自分の身体をもっと知ろう。強い身体(理想の身体)をイメージしよう
- 私たちの身体は、私たちの食べたものでできている
- アスリート用の特別な食事など存在しない。5大栄養素を不足なく摂ることが大切 毎日の食事に、果物と乳製品をプラスする
さらに、「まごわやさしい」食材を「チョイたし」「チョイかけ」。
栄養バランスを整えスポーツ食のできあがり
おすすめメニュー!
- 雑穀ご飯(ミネラル豊富なにがり入り)
- なめこ汁(ま、わ、や、し)
- 鶏つみれ((ま、ご、わ、や、し)
- 新ジャガと鯖缶のグラタン(や、さ、い)
- 人参マリネ(や)+彩り野菜サラダ(や)
- いちご
レシピをチェックしよう!(写真をクリックするとレシピページに飛びます)
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