こんにちは、管理栄養士のはるみです。

はるみ先生祐プロフィール

はるみ先生プロフィール

前回のコラムでは補食についてのお話をさせていただきました。

ジュニアアスリートの補食と作り方!タイミングや何を食べればいいの?

ジュニアアスリートの補食と作り方!タイミングや何を食べればいいの?

今回は、JBS武蔵の下コーチ河合コーチのYouTubeチャンネルに登場させていただき、お弁当についてお話をさせていただきました。


コラムでは、スポーツキッズにとって、理想のお弁当とは何かについて考えてみたいと思います。

動画とあわせてご覧いただければよりスポーツ栄養学の理解が深まることと思います。


現在わたくしは、野球、サッカー、バスケットなどジュニアの育成をテーマに、お母様方を対象とする「スポーツ栄養学セミナー」、チームを訪問しお弁当の指導をする「お弁当拝見」という活動を行っています。


これまで数多くのチームを訪問させていただきました。

毎回、お子様への愛情あふれる素晴らしいお弁当に感動しています。

そしてママのお弁当を褒められ、とても嬉しそうなキッズの笑顔に癒されています。とてもやりがいのある仕事です。


今回のコラムでは、日頃の活動の中で、私が話している内容をダイジェストでお伝えします。

セミナーに参加できないママ達のお役に少しでも立つことができれば嬉しいと考えています。


本コラムを参考にして、愛情たっぷりの「勝ち弁当」作ってくださいね!

あなたの身体はあなたの食べたものでできている

食事は練習と同じくらい大切!!

わたしがいつも伝えている言葉です。

わたし自身、このことを心がけ、毎日の食事と向きあっています。

運動に必要なエネルギーや身体をつくるための栄養素は食事以外では摂れないのですから。


しかも毎日食べられる量は限られています。

いかに効率よく食べるかが大切なのです。

  • WHEN YOU EAT
  • WHAT YOU EAT
  • HOW YOU EAT

いつ、なにを、どのように 食べるべきか、これは私のスポーツ栄養学の基本です。

アスリートの食事は、WHEN(いつ食べるか)が最も重要

なかでもアスリートの食事は、WHEN(いつ食べるか)が最も重要といえます。

練習前、練習間、練習後、練習がない日、試合前日、試合当日、試合中など、食べるものや食べ方を変える必要があるのです。


動画の中で紹介するお弁当は、普段の練習日を想定して作らせていただきました。

こんなことを気にかけながら作りました

  • エネルギーのもとになる糖質、程よい脂質、たんぱく質の摂取
  • エネルギーを作り出すときに補佐をするビタミンB、ミネラル
  • 疲労回復に大切なクエン酸、ビタミンA・C・E
  • 熱中症予防にミネラルバランス

WHAT(なにを)をつくればよいか

では、具体的に、WHAT(なにを)をつくればよいか説明しますね。


ここでバランスのよい食事を作るためのキーワードとなるのが、「ま・ご・わ・や・さ・し・い」です。

この「まごわやさしい」という言葉、なんのことだかわかりますか?

それでは次の章でこの「まごわやさしい」について説明しますね!

お弁当に欠かせない食材「まごわやさしい」

今では中学の家庭科でも習う「まごわやさしい」。

わたしはスポーツ栄養学セミナーの中で、栄養バランスを整える方法としてよく使っています。

お弁当を作る際には「まごわやさしい」の食材を欠かさず使うことが大切です!

「まごわやさしい」ってなんのこと?

「まごわやさしい」とは、まめ製品、ゴマなどの種子類、わかめなどの海藻類、野菜、魚、しいたけなどのきのこ類、イモ類を食材で摂ることをいいます。

ミネラル、ビタミンがバランスよく摂れ、低脂質であるので理想な食事といえます。

HOW(どのように)食べるか

HOW(どのように)食べるかについては、スポーツの種類、練習内容、選手(子供)の体型によって、食べる量や栄養バランスなど調整することが大切です。

今回は中学生の練習日のお弁当ということで、夕方までエネルギー切れしないように、糖質の組み合わせを工夫しました。

吸収速度の違う、いろいろな糖質(高GI,低GI,果糖)を組みあわせ、ガス欠状態で運動させないことが大切なのです。

最近はテレビなどでもこの高GIや低GIという言葉について耳にするようになりましたが、まだ聞きなれない方も多くいるかと思います。 次の章ではこの糖質(高GI,低GI)について詳しく説明していきます!

糖質(高GI,低GI)とは?

糖質とは体を動かすエネルギー源のことです。

食べてから吸収されるまでが早い糖質を高GI。

食べてから吸収されるまでがゆっくりな糖質を低GIといいます。

それぞれ良い点と悪い点を持ち合わせているので、シーンにあわせて摂取する割合を調節しましょう!

いつ、何を食べればいいの?

早く吸収される糖質(高GI値)

高GIの糖質は食べると30分ほどでエネルギー源となります。

早く吸収されるので運動直後からエネルギーとして使える糖質です。


しかし、多量に摂取しても一度には使いきれず、脂肪に変換されてしまうことが難点です。

練習の開始前、運動直後の補食に欠かせない糖質では有りますが、摂取量は少なめにしましょう。

ゆっくり吸収される糖質(低GI値)

徐々に吸収されるので長い時間エネルギー源の糖質として使うことができます。

持久を伴う運動に向けて摂取をするとエネルギー切れを防ぐことができます。


しかし、吸収までに時間がかかるので運動開始前には必ず吸収の早い高GIの糖質と合わせて摂取しましょう。

低GIなのに吸収が早い果糖!

果物に含まれる果糖は低GI値ですが、吸収が早い糖質です。

お弁当には果物(果糖)をおすすめしています!


使う甘味の調味料や主食を工夫して、シーンに合わせた食事作りを心がけましょう!

シーンに合わせた糖質の選び方

試合と試合の間でとる補食や弁当 練習後の補食

高GI:砂糖、白米、白いパン、うどん、栄養ゼリー

果糖:果物、オレンジジュース

練習日の食事、普段の食事

低GI:みりん、雑穀米、そば、ライムギパン、胚芽パン

食べる量を意識しよう!

食べる量も大切です。

食べ過ぎは腹痛の原因になったり、動きにくくなったりするので要注意です。

しかしジュニアアスリートとなる子供たちは食べる量が少なすぎるのが現状です。

ご飯は2膳分食べることをまずは最低限の目標としましょう。


お弁当箱の目安を画像にしましたので参考にしてください。

理想的なお弁当の例

 Point

  • お弁当箱の半分はご飯(主菜)中心としましょう。

    量はお茶碗2杯分(1合)を入れてあげてください。

  • お弁当箱の半分のうち、3分の1を主菜にしましょう。

    「まごわやさしい」や、青魚、卵などを意識して取り入れましょう!
    ※それぞれの栄養素や摂ったほうがいい理由については動画内で詳しく説明しています!

  • お弁当箱の半分のうち、3分の2を副菜(野菜)にしましょう。

    2品くらい野菜を入れられるとベストですね!

  • プラスで果物(果糖)を上げると尚良いです!

    果物の代わりに100%のオレンジジュースでも大丈夫です。

※お弁当を作るポイント 

  1. 食べやすい大きさ。(一口から二口で食べられる大きさ)
  2. 「まごわやさしい」をそろえる。(ミネラル・ビタミンのバランスを整える)
  3. 彩りよく。(茶色ばかりにならないように。赤、黄、緑、黒を多く入れる)
  4. 腐りにくい。(生食×。水分が多い×)
  5. 消化が良い。(食物繊維が多い野菜×。揚げ物×)
  6. 酸化に注意。(油を使ったもの×。オリーブオイルやごま油を使うのは良いです。レモンを添える)