オフシーズンの身体作り、必要不可欠な股関節の引き込み動作を覚えよう!
こんにちは!千葉と大阪を拠点に、コンディショニングコーチとして活動している、三浦佳祐(みうらけいすけ)です。
野球では大会などが一通り終了し、オフシーズンに入ります。
いつもよりトレーニングに時間を割くことが多く、来シーズンに向けての身体づくりを望む方も多いと思います。
今回は、これから身体に負荷を掛けていくうえで、色々な動作に応用ができる「ヒップヒンジ」という動きを解説していきます。
目次
- 多くのトレーニングの基本動作
- 一番大きい股関節の動き
- 筋トレを始めるにも、ここから行うことが多い
- ヒップヒンジ習得のための練習をしてみよう
- バーを使ったヒップヒンジ
- ヒップヒンジ(アシスト)
- まとめ
多くのトレーニングの基本動作
一番大きい股関節の動き
以前のコラムでもお伝えしたことがあるのですが、多くのスポーツは、軽く身体を前傾させた姿勢が基本となっています。
重心位置の高さに差はありますが、前傾姿勢を作る際は、足首、膝、股関節が適度に曲がっていなくてはいけません。
特に、股関節に関しては、前傾するのに大きな可動域が求められます。
(股関節ではなく、膝や足首を中心に曲げていこうとすると、上体は逆に後傾してしまいます。)
そのため、この「股関節を折りたたむ」という動作が非常に重要で、ここに焦点を置いた動作を「ヒップヒンジ」と言います。
(「ヒップ」とはお尻も含めた股関節のことで、「ヒンジ」とは蝶番を意味します。)
股関節を曲げる動きに制限が掛かってしまうと、腰を丸めて前傾姿勢を作ったり、膝を曲げて身体を落とすことで代償してしまったりすることが多くなります。
筋トレを始めるにも、ここから行うことが多い
中学生の後半、もしくは高校生から、積極的にウエイトトレーニングに励む選手も、最近では多く見られるようになりました。
それ自体はすごく良いことだと思いますが、「適切なフォームで行っているか?」というのは、必ず確認しなくてはいけません。
重さ、回数、セット数、休憩時間など、色々と気に掛ける部分はありますが、まずはフォームです。
フォームが悪い状態で負荷を掛けることに、メリットはありません。
スクワットは、誰しもが見たことがあり、全身を満遍なく鍛えられることから、「トレーニングの王様」とも言われています。
ただ、スクワットの動作を正しく遂行するのは、決して簡単ではありません。
スクワットは、足関節(足首)、膝関節、股関節が、適切に曲げ伸ばしされることが重要なのですが、この股関節の動きが良くないことで、間違ったスクワットをしてしまいます。(例えば膝が前に出過ぎたり、腰が丸まったり、など)
そのために、股関節の動きを最初に覚えることはとても重要なんです。
ヒップヒンジ習得のための練習をしてみよう
今回は、「ヒップヒンジ」の習得についてご紹介していきます。
正しくできると、お尻や太もも裏に伸張感を感じ、背中周りの筋力アップにもつながります。
バーを使ったヒップヒンジ
- 足は腰幅くらいに開き、つま先は正面を向きます。また、身体の前でバーを持ち(最初は軽くてもOK)、軽く肩甲骨を寄せた状態で背筋を伸ばします。
- そこから、お尻を後ろに突き出すようにして、上体を前面に倒していきます。この時、膝は軽く曲がる程度でコントロールします。
- バーが膝のお皿の下くらいまで達したら、元の体勢に戻ります。動作中、肩甲骨は軽く寄せた状態を保ったままにします。
こちらを、10回行います。
※バーが無くても、手を胸の前で組んだり、腰に当てて行ったりしても大丈夫です。
ウエイトトレーニングだと、このバーが重量のあるものになると思ってください。
ヒップヒンジ(アシスト)
上記のバーを使ったヒップヒンジは、前傾姿勢に慣れていなかったり、「太もも裏がかたい」と感じている方には難しいかもしれません。
そこで、最初のフォームづくりのための代替案もご紹介します。
- 開始のスタンスは同様だが、バーを身体の前で立てて、そちらを支えとして持っておく。
- お尻を後ろに引いていくのと同時に、バーを前方に倒すように腕を伸ばしていく。
- 膝が過剰に曲がってしまう限界まで達したら、元の姿勢に戻る。
こちらも10回行います。
腕を前方に伸ばすことで、そのカウンターでバランスを取るようになり、よりお尻が後ろに引けるようになります。
ポイント
バーの高さは?
腰の高さで持つので、大体、腰の高さと同等の長さがあれば問題ありません。
小中学生が行っても大丈夫?
適切な負荷と、正しいフォームを守っていただければ、小学校の高学年や、中学生といった早い段階のトレーニングとしても取り入れていただけます。
まとめ
- 多くの場面で適切な前傾姿勢が取れることで、身体の不適切な使い方を修正できる
- 「ヒップヒンジ」を覚えて、トレーニングのバリエーションを増やしていこう
これから始まるオフシーズン、是非動作づくりにも取り組んでみてくださいね!
次回も、股関節回りのトレーニングをポイントに解説していきます。
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