こんにちは!千葉と大阪を拠点に、コンディショニングコーチとして活動している、三浦佳祐(みうらけいすけ)です。

今回は、いつものエクササイズ紹介ではなく、トレーニングの効果を最大限に引き出すための考え方をご紹介していきます。

少しだけ頭を整理するのに、参考になれば幸いです。

目次
  1. トレーニング効果をスポーツの技術に活かすためには?
    • 普段のトレーニングで養われるのは?
    • 力は「伝える」ことが重要
  2. 自分の身体を動かす技術
    • 身体の感覚を豊かにしていく
  3. まとめ

トレーニング効果を技術に活かすためには?

普段のトレーニングで養われるのは?

  • 「身体を大きくしたい」
  • 「筋力を強くしたい」
  • 「柔軟性を向上させたい」

などなど、人によって答えはは様々でしょう。

では、

「何のために柔軟性を向上させたいのですか」

という質問されると、

「競技のパフォーマンスを上げるためです」

と、はっきり答えられるアスリートは意外にも少ないのです。

「身体を大きくすること」や「重いものをあげること」自体が目的になってしまっていて、トレーニングの目的は、競技のパフォーマンスを向上させるためにあるということ、

トレーニングそのものは手段

であるということを忘れがちなのです。

また、トレーニングが一つの手段だと解っていたとしても、

「トレーニングをすれば、野球が上手くなる」
「身体が大きくなったら野球に役立つ」

と聞かれ、

「その通りです」

とは言えない選手がほとんどではないでしょうか。

この反応は間違いではありません。

以前のコラムでも解説しましたが、スクワットをしても野球が上手くなるわけではありません。

野球が上手くなるには、野球の練習をするのが一番よいに決まっています。

しかし、競技(野球でもなんでも)技術を向上させるためには、最低限の準備として自分の身体を整えておくことが必要です。

技術を受け入れられる身体ができていてこそ、上手くなる機会を手にすることができるのです。

だからトレーニングは絶対に必要なのです。

力は「伝える」ことが重要

それでも、トレーニングをすることでどんどん技術が伸びていく選手、逆にトレーニングをあまりしていなくても、怪我もせず、高いパフォーマンスを発揮できる選手もいます。

こういった選手は何が違うのでしょうか?

理由はいろいろとありますが、一つは、力を「伝える」のが上手いのです。

力は、外部の物体に影響を与えます。

野球であれば、ボールやバットをどのように動かすと、一番効が良く、強く、速く、大きく動くのかというのは、力の伝え方に影響されます。

自分の身体を鍛えて、大きな力を生み出すことは重要ですが、同時に、力をどうやって伝えたら良いのかも考えていかなければなりません。

自分の身体を動かす技術

身体の感覚を豊かにしていく

ほとんどの競技(スポーツ)は、足が地面に接地して行われます。

また、地球上では重力が働いているため、地面からの反力を受け取る形で、我々は活動しています。


スポーツのパフォーマンスを考える時、まずは、この地面反力をどう利用するか、つまり地面からの力をどうしたら効率よく末端(もしくは扱っている道具)に伝えていけるかを考えなくてはなりません。

言い換えると、地面からもらった力を、力を伝えたい方向に伝えるために、どのように身体を操作していくのかが重要となります。

「加速」したり、「減速」したり、「方向転換」したりする際の、効率の良い身体の使い方を覚えることが必要です。

こう聞くと、サッカーやバスケのようなフィールドスポーツを連想するかもしれません。
が、野球のピッチングやゴルフのスイングも、実はこれらの身体の使い方の応用なのです。

基本的な身体の操作は、様々な競技(スポーツ)において、より難しい技術を覚える際に役立つ基礎と言えます。

日頃のトレーニング成果を生かすために、こういった基礎的な動きのスキルも養われると、なお良いですね。

  1. 身体の各部位が、そもそも動くか
  2. 身体の各部位それぞれを連動させた、効率の良い動かし方を知っているか
  3. 身体を強く、速く動かすことが出来るか
  4. 動きの中で効率良く力を発揮し、伝えることが出来るか

上記の目的に合わせ、選ばれるトレーニング種目や、費やす時間も変わってきます。

スポチューバーTVのコラムで紹介したエクササイズのほとんどは、①や②に該当するものが多いので、(もちろん対象者のレベルによっては③や④になることもあります)

やみくもにトレーニングをするのではなく、トレーナーと相談し、しっかりと考えて選択したいものですね。

まとめ

  • トレーニングは、アスリートの能力を向上させるための「手段」という認識を持とう。
  • 引き出したい効果によって、選択されるトレーニング種目は異なるので、専門家と相談しながら、効率の良いトレーニングを実施しよう。

次回も各トレーニングの効果について、まとめて解説していきたいと思います。