食材をもっと美味しくする!50度洗いについて【野菜・果物編】
スポチューバーTV公式チャンネル始動!チャンネル登録はこちらから!
食材のパワーをアップする50度洗い今日のテーマは、食材のパワーをアップさせる調理手法について解説していただきます。
名付けて「50度洗い」です。
肉・魚・野菜など調理する前の下ごしらえの段階で50度の熱湯でじゃぶじゃぶ洗うことで、食材の持っている力……栄養素と旨味を最大限に引きだせるという、ありがたい調理手法です。
それでは星先生よろしくお願いいたします。
星先生
肉、魚、野菜などなど、調味料以外の全ての食材を、50度で洗う処理をしてから、調理するのですよ。
この手法は全ての食材に活かせるということを覚えておいてください。
簡単ですので、是非トライしてくださいね。50度でいくぞ!
まず、野菜から50度洗いしていきます。
基本的に野菜もお魚もお肉も果物も、全て50度洗いできますが、野菜は生で食べることが多いので、きれいなお湯で洗うようにしましょう。
もちろん、肉を洗ったお湯で洗う人はいないと思いますが(笑)
50度洗いをやってみよう!
50度のお湯をボールに用意します。
飯田さん、お湯を触ってみてください。
飯田研二
お風呂よりちょっと熱いくらいですね!
星先生
そうなのです、この温度が野菜には嬉しい。喜んで入ってくれますよ(笑)
湯沸し器で55度〜60度に設定するとよいでしょう。
少し熱いので、できれば温度計などで温度を確認し調整すると完璧かな。
飯田研二
50度で野菜を洗うとしんなりとしてしまうのでは。
葉野菜(葉もの)を50度のお湯に入れると、ゆでた状態のようになるのではとよく言われますが、このままお湯に入れても大丈夫。
逆にシャキシャキとパリパリ感を増します。
野菜の表面に付着する一般生菌が少し落ちます。
飯田研二
なにゆえにパリパリ感を増すのでしょうか?
50度のお湯に入れることで、「ヒートショックプロテイン現象」がおきるからです。
ヒートショックプロテインについて
野菜は、細胞膜と細胞壁で構成されています。細胞膜は熱を加えると壊れてしまいますが、細胞壁はペクチン質でできているので50度のお湯に浸けることで固くなるという性質を持っています。
ヒートショックプロテイン現象が起こることで、熱で野菜の気孔が開らき、細胞が水分を吸収、さらに気孔が締まることで保水されるため保存性を増します。ですから50度洗いした野菜は日持ちするのです。
しんなりとしていた野菜が、パリッとした鮮度を取り戻します。1分ほどいておくと色も鮮やかな状態になります。
見た目にもわかりますよね!
素材の持っている成分が時間の経過とともに酸化、灰汁(あく)として表面に出てきてしまいます。
それが苦味やえぐみになるのです。水では落ちませんが、50度洗いで除去できるのです。
「体内に酸化物を入れない」ことは健康増進にもつながります。
酸化物は疲労物質であり、アスリートの大敵です。
50度洗いを是非やっていただくと良いと思います。
お母様方には、お子様の食事に活かしていただきたいです。
加熱はしていないけれど、生でもありません。
この機会に是非トライしてください。
特に葉野菜は、歯ざわりが良くなり、シャキシャキした状態になります。
線虫という1ミリほどの小さな虫が堆肥の中に生息し野菜には付着しています。
逆に線虫が付いていない野菜は殺虫剤がかかっている可能性が高いと言えます。
専門家に聞いたところ、線虫は野菜の表面ではなく葉の裏などに多くいるらしく、50度洗いをしたお湯を調べると線虫の死骸が見つかったということもあるようです。
飯田研二
水では落ちないものが50度洗いで落ちる、酸化物も落とし旨味と栄養価をアップさせる。 まるで魔法の様ですね。
星先生
だから私は「50℃のマジック」と呼び、人は私のことを「50℃のマジシャン」呼ぶのですよ(笑)
ベビーリーフなども、50度で洗った後すぐに冷やすとシャキッとしておすすめです。
50度という温度について
ポイントを整理します。「50度をずっと維持しなくてもよい」ということです。
最初、食材を入れた時に、50度の温度が保たれていればその効果が期待できます。
野菜を何種類か入れ、温度が下がってしまったら効果は出ません。
また、50度を超えると加熱になります。
加熱してしまうと細胞が壊れ、さらに酵素は活動を失ってしまいます。
生に近いものを食べるということは、酵素を身体に入れるということです。
ですから、50度という温度がとても大切なのです。
加熱調理というのは、酵素をどんどん壊して失活させてしまいます。
酵素のなくなった食材を食べても身体は悦びません。
50度洗いした葉野菜は特にパリパリしています。
それはまさに「食感のご馳走」です。
食感のご馳走を感じると唾液が出るのです。
噛ませることが大切なのです。
噛むことの効果
- 消化が良くなり栄養の吸収も良くなる
- 口の中の時点で消化が始まるので、胃腸への負担が軽くなる
- 唾液が出やすい習慣がつくことで免疫力アップに繋がる
食材別!50度洗いのポイント
飯田研二
星先生食材別にポイントを教えてください。
パプリカ
星先生
パプリカは採れたてを食べると非常に甘いんですよ!
パプリカは中が空洞になっていますが、その内側が流通の過程で酸化し、パプリカ特有の嫌な匂いになってしまうのです。
ですから縦半分に切った状態で50度洗いをすると、匂いも取れ、酵素活性も除去できて甘くなります。
トマト
星先生
トマトは50度洗いをするとヘタが上にあがってきます。
きのこ
星先生
きのこは洗わなくてもよいとも言われていますが、加熱調理をするのなら、50度洗いは効果的です。
カツオはイノシン酸、昆布はグルタミン酸、きのこ類はグアニル酸といった旨味の成分があります。
きのこ類は冷凍すると細胞が壊れるので旨味が増しますが、50度のお湯に入れることで、グアニル酸の量がグッと増えるのです。
50度洗いした後に冷凍すると、パッと使えて旨味抜群の食材となります。
また生しいたけは、石づきを切り取った後に笠の部分を箸で軽く叩き、内側のひだの中の砂や虫を落とし50度洗いをしましょう。汚れを除去してから調理することで爽やかで美味しい料理になりますよ!
きのこを洗ったお湯は特に、汚れていますので使い回さず一度捨てましょう。
その他の野菜も基本は同じように洗っていきましょう!
玉ねぎ
星先生
玉ねぎは50度のお湯に付けながら皮をむくとよいですよ。
カブ
星先生
カブなども料理によっては皮付きで調理する場合もあれば、皮を剥いて調理する場合もありますよね。
料理に合わせて、50度洗いするとよいでしょう!
蓮根
星先生
蓮根などの灰汁の強いものは50度洗いすることで灰汁止めの効果もあります。
そもそも、灰汁は食材に含まれているものではないのです。
野菜の持つ成分が「酸化」して灰汁となっていく場合が多いのです。
繰り返しになりますが、灰汁をしっかりと除去することも身体のためにはとても大切なことです。
ただし、ごぼうから出る黒い汁はポリフェノールという抗酸化作用のある成分なので、水にさらし過ぎてしまうとせっかくの成分を捨ててしまうことになります。
そういった例外もあるので気をつけましょう!
果物にだって50度洗いは効果抜群!
いちご
星先生
いちごなどの果物もヘタの部分に砂や虫などの不純物が紛れていることがあります。
野菜と同じように50度で洗っていきましょう!
いちごも50度洗い後はザルなどにあげておくだけで大丈夫です。
実は、いちごは甘いだけでは美味しいとは言えません。
50度洗いをすることでバランスよく甘みと酸味が増して、美味しくなるのですね。
バナナ
星先生
50度洗いの中でよく驚かれるのがバナナです。
頭の部分が青い状態で50度で洗います。
そうすることで、酵素活性をして甘みが増し、木でそのまま熟れたような美味しさになります。
また、シュガースポットが出にくくなります。
シュガースポットが出てくると、果肉も次第に黒くなってしまいますが、50度洗いをすることで果肉は黄色いまま熟れていくので一週間ほど吊るしておいても、果肉は黄色くネトっとしていて効果抜群で、虜になりますよ!
輸入された果物はワックスがいっぱい?
星先生
輸入された果物も50度洗いが効果的です!!
なぜかというと、輸送中に水分が飛んでしまわないように、果物の表面にワックスがかかっているのです。
オレンジやグレープフルーツは皮ごと食べることは少ないですが、アメリカンチェリーは皮ごと食べますよね。
アメリカンチェリーを50度のお湯に入れると、表面のワックスが浮いてきます。
やはり、そういった不純物はしっかりと除去してから、子どもたちの口に入れなければ!
このように食べることも練習と同じ。ひと工夫して考えながら食べないとどんどん体内に悪いものを取り込んでしまいます。
まとめ
飯田研二
星先生、大変勉強になりました。ありがとうございました。
星先生
大切なお子様方の身体をつくる食事のアドバイスができたら嬉しいです!
微力ながらお手伝いがしたいと思っています。
次回もお楽しみに!
スポチューバーTV公式チャンネルの登録はこちらから!
是非登録して、応援してください!
このコラムが良いなと思ったら
是非コメントをしませんか?
スポンサードリンク
スポチューバーTVの公式LINEが出来ました!
友だち追加