こんにちは!スポチューバーTV、野球技術担当の下です。

今回のコラム&動画でバッティングでよく言われる、「ヘッドを立てる」という事についてお伝えしていきます。

ヘッドを立てる事は可能なのか?

まずヘッドを立てるという事ですが、これは現実的に可能でしょうか。

実はこれは現実的に起こっているいる事ではありません。

いくつかインパクトシーンを見てみたいと思います。

インパクトシーンの写真①

インパクトシーンの写真②

インパクトシーンの写真③

どうでしょうか。

実際にはインパクト時にはヘッドは立っていない事がわかります。

感覚と実際は「ズレ」がある

このように、バッティングは感覚的に言われる事と、実際の動作にはズレがある事が多いです。

「ヘッドも立てる」のもその1つです。

他には、「上から叩け」や「軸足回転スイング」「押し込み」などが代表的なものになります。

指導者側として気をつけておきたいのは、「自分の経験則」が現選手には合わない事があります。

選手としてもその指導者が、

  • 動作の理論の事を言っているのか
  • それとも

  • 理論を行う為の手段(感覚的)な事なのか

という違いを理解できる事がベストです。

理論を実践する為に感覚的な用語を使う事は悪い事ではありません。

極端例ですが、かなりアッパースイングの選手に対して「上から叩く」という感覚で伝えるのは修正される可能性が高いです。

バッティングの目指す動きやフォームがあり、そことどれだけズレがあるか。そのズレを修正する為の感覚的な言葉はありです。

ただ、それが万人に共通して当てはまる事ではありません。

元々上から叩いてしまっている選手には、さらに悪化をさせます。

感覚的な用語は相対的に使用するもので、理論は普遍的(日々理論も進化しますが)です。

大切な事は指導者と選手が共通してその認識を持つ事です。

ヘッドを立てると言われるのはなぜか?

ではヘッドを立てると言われるのはなぜでしょうか。

実際の動きでは行なっていないものでも、有効な感覚的な用語・指導として使用されているのも事実です。

私としては主に下記2点からと思っています。

  • スイング開始時はヘッドが立ってくる
  • 腕の運動量を確保しておく為

この2点が関係していると考えています。

スイング開始時はバットは回転半径小さくしてスイングします。

回転半径が小さいと体の回転が速くなる為ですね。

この時バットはまだヘッドが立っている状態です。

インパクトに向かってヘッドは下がっていきます。

この最初のスイング時の時の感覚が「ヘッドを立てる」に繋がっていると思います。

また後ろ腕は運動量を確保したまま(曲がったまま)スイングされますが、ヘッドを立てる感覚でスイングをするとこの動作もやりやすくなる事があります。

必要な動きを獲得する為にその感覚が有効な手立てになる理由はこの2点です。

繰り返しますが、実際にはヘッドが立ってスイングされる事はありません。

ただ「ヘッドが立つ感覚」というのは有効になる可能性もあるという事です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

動画では動きも合わせて説明をしていますので、

併せてご覧になってください。