ジュニアアスリートの栄養学 〜熱中症対策〜
皆さんこんにちは!
スポチューバーTV管理栄養士のはるみ先生です。
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今日もジュニアアスリートの栄養学について話をさせていただきます。
前回の「ジュニアアスリートの栄養学」はいかがでしたか?
スポーツ栄養学の基礎となるセミナーですのでぜひご覧になってくださいね。
本日のテーマは「熱中症予防」についてです。
熱中症予防には夏前からの準備が大切です。
ゴールデンウィークが過ぎると気温が急激に上がってきますね。
皆さまの体は暑さに慣れておらず熱中症にかかりやすい時期でもあります。
また、梅雨のこの時期も熱中症への注意が必要なのですよ。
湿気が多いので、汗をかいても、その汗が蒸発していきません。
汗は蒸発することで体温を下げてくれる働きがあるのですが、湿気が多いと体温が下がりません。
しっかりとした熱中症予防が必要ですよ!
今回のテキストは、環境省の熱中症予防情報サイトを参考に書かせていただいておりますのでこちらも是非一度ご覧ください。
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熱中症を起こす原因
熱中症を起こす原因は3つあります。
- 「環境」
- 「からだ」
- 「行動」
この3つです。
環境
人間の体は常に、体温が上がっても汗や皮膚温が上昇することで熱が外へ逃げる仕組みになっているので、自然と体温調整が行われるようになっています。
環境によっては、それがうまくいかなくなることがあります。
例えば真夏。
体温よりも外気温の方が高くなると、熱を外に逃がすことができなくなります。
炎天下のグラウンドは、40度越えなんていう日もありますよね。
自分の体温よりも空気の方が暑いわけですから、熱中症にかかっても不思議ではありません。
また湿度が高い状況。
まさに梅雨の時期ですね。
湿度が高い為、汗が蒸発しづらく、熱中症にかかりやすいので。
風がない日。
汗が風で蒸発しない状況が起きやすくなります。 その他、日差しの強い場所、締め切った体育館、エアコンのない部屋での睡眠などなど、熱中症にかかりやすい環境と言えます。熱中症対策は暑くなってからでは手遅れ、春先からはじめることが大切なのですよ。
からだ
次は、からだが原因で起こる熱中症について説明します。
栄養状態が良く健康な方は、体温調整機能がしっかりとしていて熱中症にはかかりにくい。
しかし、
- 栄養状態がよくない方
- 疾患がある方
- 幼児
このような方は体温調整機能が上手く作用せず、熱中症になりやすいのです。
●高齢者や乳幼児
汗腺が機能しづらい
●肥満
血管が皮膚に少なく、体温を放出しづらい。
(体温を下げるためには血液を冷やすことが大切)
●糖尿病等の疾患がある方
●低栄養状態
朝ご飯を食べていない、食事の好き嫌いの多い方。
前回の動画を見てしっかりと食事を整えてください。
●脱水症状
こちらは後ほど水分の取り方についてお話をします。
朝から脱水状態のまま運動すると、熱中症になりやすいのです。
●二日酔い
●疲労の蓄積や睡眠不足
睡眠不足や疲労がたまっていと熱中症の原因となる。
GWや夏休みなど、練習のし過ぎに注意しましょう!休養をしっかりとることが大切です。
行動
次は行動。
まず、運動するということは、エネルギーを作るということです。
エネルギーを作る時は熱を発しますので、体に熱がこもりやすくなります。
テスト期間中のお休み、久しぶりに練習参加するときなど要注意。
暑さに体が慣れていないため熱中症にかかりやすいのです。
●長時間の野外作業
1日中、屋外で練習していますか?当たり前のことですが、長時間になるとそれだけ脱水症状は起きやすくなります。
●水分補給ができない状態
試合時間が長くなり、なかなか水分を取れない。よくある状況ですよね!
合間を見て、しっかりと水分を取るようにしたいものです。
体温の上昇とミネラル調整機能のバランスが崩れ、どんどん体に熱が溜まってしまう。
このような状態が「熱中症」です。
熱中症を予防するには
熱中症を予防するポイントは下記の7つです!
- 日差しを避けて風通しを良くする
- 涼しい服装で行う
- 朝から体調が悪いときは注意する
- 水分をしっかりと摂る
- 食事をしっかりと摂る
- 休憩を入れながら行う
- 睡眠をしっかりと取る
詳しい熱中症の症状や対応については、環境省の熱中症予防サイトで確認しましょう。
脱水症状について
脱水症状についてお話をしていきます。
体の2%以上の水分がなくなると、運動機能や集中力の低下が起こると言われています。
体重50㎏の子供の場合、2%というと1kgです。
それは、「1リットル分の水分が、体の中から無くなった」ということになります。
3%で喉の渇きを感じるというので、知らず知らずのうちに脱水症状がはじまっているということですね。
喉の渇きを感じた時には、既にパフォーマンスは低下しているのです!
しっかりと意識してこまめに水分補給をしましょう。
脱水症状の予防・対処法
次に脱水症状の予防についてお話をします。
第一にしっかりと水分を補給することが大切です。
先程も言ったように、喉が渇いたと感じる時には、既に脱水症状がはじまっているのです。
どのようなペースで飲むのかを意識して練習し、また自身の身体で体感していくことが必要です。
水分補給のポイント!
- 運動30分まえに250ml〜500mlの水分を摂る
最低でもペットボトルの半分を飲む必要があります。 - 運動中は15分おきに水分補給!(1口〜コップ1杯200ml)
飲む間隔があきすぎているから、という理由で一気にたくさん飲んではいけません。
胃で水分を吸収することができず、お腹の中で溜まってしまいます。
チャプチャプとお腹の中で水分が揺れている様な感覚を体感したことがありませんか?
水が吸収できていない状態です。
細胞に水分は届いていないので、一回の補給で水分を摂りすぎることには注意をしましょう。 - 運動後〜寝る前までは、こまめな水分補給
運動後から寝る前にも、こまめに摂ることが必要です。
運動中に意識して水分を摂っていっても、やはりある程度の水分不足は発生しています。
練習前と練習後に体重を測って見てください。
その体重差が、不足している水分量です。
もし体重が1kg減っているとしたら、痩せたのではありません。
その分、体内の水分が減ってしまっているのです。
寝るまでに、不足分の水分を飲むようにしましょう。
水分を摂る練習-ウォーターローディング-
水を取る練習について説明します。
ウォーターローディングと言います。
練習をしていない普段の日からしっかりと、水分を摂ることを習慣づけられるようにしていきましょう!
1日の目標は2リットルです、春先から練習を始めましょう!
コーチに声をかけられて水分を飲むのではなく、自主的にタイミングを見て水分を取る練習をしてください。
また、汗をかくことによってミネラルも一緒に出ていきます。
1時間以上運動する時は、ミネラル補給も兼ねて、水ではなくスポーツドリンクがおすすめです!
監督やコーチの方々は利尿作用の多いコーヒーや緑茶を飲んでいる方もいらっしゃるかと思います。
選手の皆さんはカフェインの入っていない麦茶にしてください。
また、スポーツドリンクにはカロリーゼロというものもありますが、現役のアスリートの皆さまは糖質の入ったものを摂るようにしましょう。
スポーツドリンクが苦手という子もいるかもしれませんね。
麦茶やお水を摂っても良いのですが、塩タブレットなどを摂りミネラルの補給を心掛けましょう。
また、オリジナルドリンクを作ることもオススメします!
プロのアスリートは、自分専用のオリジナルドリンクを作っている方も多いのですよ。
吸収率の良いバランス
- 塩分 0.1〜0.2%
- 糖分 3〜5%
この比率がベスト。
さらにクエン酸のような酸っぱいものや、果物を入れたり、にがりを加えてミネラルのバランスを整えることもお薦めします。
また温度は5〜15度にしましょう。
氷がゴロゴロ入って残っている状態、これは冷えすぎです。
胃腸がびっくりし吸収にもよくありません。
氷がちょうど溶けている状態、飲んでいて「心地よい」と思うくらいの温度、5〜15度くらが良いでしょう。
不足のない栄養バランスで食べる
これまで水分の摂取ついてお話をしていきましたが、栄養バランスを整えて熱中症に備えることをお話しします。
やはり、不足のない栄養バランスで食べることが大切なのです。
前回の動画を是非ご覧ください。
繰り返しますが、一汁三菜と果物、乳製品に更に合わせて「まごわやさしい」食材をチョイ足しすることがポイントです!
汗で失ってしまう栄養素のバランスを意識して摂りましょう。
食事の際の注意点
激しい運動すると体が疲れて、内臓の機能も低下して食欲がなくなってしまいます。
食事量が減ると不足の栄養素ができてしまい、熱中症にかかりやすいうえに栄養不足により身長も伸びなくなってしまいますよ。
頑張って食事を摂りましょうね!
酷暑の中、激しい運動をすると内蔵機能も低下しがちです。消化のよいものを取るとよいでしょう。
そして咀嚼をしっかりしましょう。咀嚼をすると、唾液がたくさん出ます。唾液は消化酵素を含んでいるので、口で咀嚼している時から消化はすでに始まっているのです。
よく噛むことで、胃腸の負担を減らすことができるのです。
汗で失われてしまう栄養素を追加
塩分
大量に汗をかくと塩分が失われます。
その際に水だけ飲むと血液中のナトリウム濃度が薄まります。
水分だけではなく、塩分も補給する必要があります。
チームで塩を舐めているチームもあるかと思いますが、にがり成分を含んだ天然塩にしましょう。
ミネラルも合わせて取ることができます。
カリウム(バナナ、のり、ほうれん草、じゃがいも、ひじき)
汗をかくと塩分と共にカリウムも失われます。
カリウムが失われると細胞自体が脱水症状を起こします。
熱中症回復にもカリウムが大きく関与します。
普段からカリウムを摂取することで、筋肉の収縮を助ける働きを高め、熱中症にかかった時の回復の手助けをします。
カルシウム(乳製品、煮干し、じゃこ、高野豆腐、さくらえび)
汗と共に出ていく栄養素です。
不足すると筋肉がうまく動かなくなり、集中力もなくなります。
骨の材料でもあるのでしっかり摂ることが大切です。
また運動神経の伝達を行うのもカルシウムです。
夏休みは睡眠がしっかりとれるので、身長を伸ばすチャンスですよね。
睡眠をとり、カルシウムをしっかりと補いましょう
マグネシウム(にがり、大豆製品、緑の野菜、海藻類、魚、ごま)
汗と共に出ていく栄養素です。
不足すると筋肉がうまく動かなくなり、集中力がなくなります。
カルシウムとマグネシウムはセットで摂るようにしてください。
なぜなら、
- マグネシウムにはカルシウムの吸収を高める働きがある
- 筋肉の動かす時もカルシウムとマグネシウムが必要になる
- マグネシウムもカルシウムとセットで身長を伸ばすのに必要
どちらもしっかりと摂りましょう!
鉄(レバー、砂肝、赤身肉、マグロの赤身、魚の血合い、あさり)
汗と共に出ていく栄養素です。血液の材料です。
血液が少なくなると酸素が不足し、集中力がなくなります。
また、運動のパフォーマンスも低下します。
ネバネバ成分(ながいも、おくら、モロヘイヤ、納豆、もずく)
弱った腸の粘膜を修復します。
また善玉菌の餌にもなります。
腸の環境を整えて免疫力を高める効果もあります。
抗酸化物質(トマト、パプリカ、人参、モロヘイヤ、いわし、鮭、アーモンド、果物)
紫外線のきつい夏は活性酸素が発生しやすくなります。
活性酸素は疲労の原因でもあります。
抗酸化物質は活性酸素から体を守ってくれます。
激しい運動で疲れた筋肉の回復を高めます。
クエン酸(梅干し、レモン、グレープフルーツ、食酢、オレンジ)
激しい運動で疲れた筋肉の回復を高めます。
糖質と一緒に摂るのがおすすめ!
ビタミンB1(豚肉、うなぎ、さば、たらこ、グリンピース、大豆、青のり、雑穀)
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働きがあります。
炭水化物を多く必要とするアスリートは、ビタミンB1を一緒に摂ることが大切です。
不足すると、食欲不振や倦怠感手足のしびれやむくみなどの症状が出ます
体を冷やす食材(キュウリ、すいか、メロン)
夏野菜は火照った体を冷やす効果があります。
水分で栄養素を補給しましょう -おすすめ補食-
下記ご参考ください。補食としてドリンクをつくってみましょう!
熱中症予防の飲み物
- ○牛乳(たんぱく質、カルシウム・ビタミンB)
- ○豆乳(たんぱく質、マグネシウム、ビタミンB)
- ○バナナミルクセーキ(たんぱく質、糖質、ミネラル)
- ○スイカジュース(糖質、抗酸化、塩分、カリウム)
- ○塩入レモネード(クエン酸、抗酸化、塩分、糖質)
- ○トマトジュース(抗酸化、塩分、カリウム)
- ○スムージー(抗酸化、ミネラル)
- ○硬水(ミネラル分が多い水)
- ○甘酒(糖質、アミノ酸、ミネラル、ビタミンB)
- ☆にがり入り水(ミネラルバランスが良い水)
睡眠をしっかりとる
良い睡眠を取ることが重要!
良い睡眠をとるためにも、心地のいい眠りができるようにエアコンを使いましょう。
また、寝る前に脱水症状を防ぐためにも、コップ一杯の水を飲みましょう。
今回のまとめ
- 日頃から、良い睡眠、栄養バランスのよい食事、水分をしっかり摂りましょう。
- GWから熱中症にかかりやすい時期です。
春先から水分を摂る練習をしておきましょう。 - 喉の渇きを感じたときにはすでに脱水が進んでいます。
こまめに(15分ごとに)200mlの水分を摂りましょう。 - 激しい運動をすると疲労から食欲がなくなります。
胃腸も疲れているので、消化の良いものを摂り、しっかり咀嚼する。 - 普段の食事(一汁三菜+果物と乳製品とまごわやさしい食材)に、汗で失われる栄養素を追加しよう。
熱中対策水をお奨めします。
熱中対策水
「熱中対策水」は、厚生労働省や環境省などが推奨している濃度(0.1〜0.2%に合致した飲料です。
発汗により失われる、ナトリウム、塩素、カリウム、カルシウムなど多くのミネラルを汗と同じ比率で補給できます。
糖質の入っている「日向夏味」は、選手に摂っていただきたいものです。また、糖質ゼロのレモン味はコーチや保護者の皆さまに摂って欲しいものです。
経口補水液
「経口補水液」は、水やスポーツドリンクよりも水分の吸収効率に優れ、脱水症状の起きやすい夏の時期にお勧めです。
昼食前、激しい運動の直後の摂取をお奨めします。
にがり
さらに、料理にはマグネシウム豊富な天海のにがりを使いましょう!
お米を炊く時、肉を柔らかくする効果もあり下ごしらえに最適。お肉を焼く前に使ってみてください。
メニュー紹介
今回は熱中症予防のメニューを紹介しています。
クックパッドでも紹介しておりますので、是非ご覧になってください!
【主食】ピザ
【汁もの】モズクのスープ
【主菜】 豚肉のバターソテー イチジクソース添え
【副菜1】彩り野菜のグリル焼きとグリーンサラダ(エゴマ&オリーブオイルと天然塩をかけて)
【副菜2】青豆とじゃことキャベツのアンチョビにんにく炒め
はるみ先生
次回もお楽しみに〜!
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