食材をもっと美味しくする!50度洗いについて【魚・乾物編】
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今回は野菜に引き続き、乾物類や魚介類の50度洗いを紹介しますよ。
アサリや鯖などの家庭料理で良く使われますよね。普通にスーパーマーケットで売っているものです。
栄養満点で素晴らしい食材であっても、流通の過程や売り場で空気に晒され酸化しています。
酸化物の除去には50度洗いがおすすめです!
高野豆腐を戻す
まずは高野豆腐です。
えっ、高野豆腐も50度洗いするの?と思った方もいるかもしれません。実に効果的なのです。
一般的に高野豆腐は沸かしたお湯で戻しますが、50度のお湯が抜群によいのです。
50度のお湯で戻すことで、高野豆腐の表面はしっかりしたままで芯まできちんときれいに戻るのです。
プロも知らない裏技なのですよ!
芯まで戻らないと、高野豆腐は美味しくありません。
やはり大豆も油分を持っていますので、高野豆腐を戻した時に出てくる白い汁を、しっかりと出さないといけません。
絞りが甘いと、美味しい出汁で煮ても美味しく仕上がらないのですよ。
絞るときのポイント
- 指を開いてやさしく絞りましょう!
指を閉じてしまうと、水分が行き場をなくし、高野豆腐の内側に入って破れてしまいます。 - 白い汁が出なくなるまでしっかりと絞りましょう!
乾物類は50度のお湯で戻す!
高野豆腐を食べるのは簡単ですが、下処理は時間をかけてきちんと行いましょう。
美味しい出汁で煮ると、とっても美味しい煮物になります。
下処理に手をかけると味に大きな違いが出ます。
もちろん酸化物を摂らないということも叶うわけです。
絞りきれないくらい熱いお湯で戻すと、表面が溶けて絞り切る前に潰れてしまいます。
50度のお湯で絞るとまたもともとの大きさに戻るんですよ。
50度という温度は、乾物を戻すのに適正な温度であるということです。
高野豆腐は、お豆腐を凍らせて、乾燥させて作ったものです。
つまり、長時間空気に触れているのです。
表面は酸化物でおおわれています。
しっかりと下処理をしないと雑味がでてしまいます。
白い汁が出なくなった、高野豆腐を切ってみると、ふわふわで断面をみてもきれいに戻っていることがわかります。
完全に戻りきっていないと、断面の真ん中に線が残ってしまうのですよ。
高野豆腐だけではなく、乾物類は空気に触れ表面は酸化物でおおわれています。
50度のお湯でじゃぶじゃぶと洗いしっかりと下処理をしましょう。
因みに、50度という温度帯は過熱したことにならず、タンパク質の変性もおこなれません。
したがって50度洗いは調理とは言えず下ごしらえなのです。
乾燥わかめ
乾燥わかめを戻す時もやはり50度洗いが効果的です。
50度で戻すことでほどよい塩梅で戻るのですね。
この下処理の仕方で料理の仕上がりに大きな差がでます。
星先生
飯田さん、わかめをちゃんと戻さないで使ってしまっている場合も結構多いですよ。
飯田研二
わかめ表面の塩を落とす。ちょっと洗うだけではダメですか?
星先生
加熱して火が入ったときに、おいしい出汁が抽出されます。
過熱時に香りも立ちます。下処理がしっかりとできていないと美味しさと香りが生まれてこないのです。
また、わかめは50度のお湯に入れることで、塩気も程よく抜け、ふんわり戻るのですよ。
飯田研二
戻しが終われば、50度から水に上げるのですか?
星先生
わかめのような色物は、お湯の温度が高いと、溶けてグチャグチャになっちゃうので、50度洗い後は冷水につけて、その後しっかりと水気を切っておくと色も良く美味しく食べられます。
キッチンペーパーにくるんで冷蔵庫に入れておくと、いつでもサッと食べられますよ。
アサリ
次はアサリです。
50度のお湯に入れると、アサリが死んでしまわないの?と質問されます。
これがまた凄いのです。効果的抜群です!
アサリは50度のお湯では死にません。
タンパク質のはだいたい60〜62,3度で固まります。
当然、その温度になるとアサリは死んでしまいます。
海の塩分は3%で、川の塩分は0%。
それが交わった汽水域(河口の砂地)にアサリは生息しています。
貝類は足が無いので、水管で水を吸って、ピュッと吐いて移動します。
その時、砂も一緒に取り込むのです。
だから、砂抜きのために塩水に浸けたりするのですよね。
アサリは河口域に生息しているので、3%の塩水につけるとアサリには塩分濃度が高くて死んでしまうのです。
だから50度洗いがオススメなのです!
アサリを入れたお湯が白く濁ってきましたね。
これは、アサリの汚れと砂が出てきているのですよ。
星先生
飯田さん、匂いをちょっと嗅いでみてください。この匂いが凄いんだよなぁ〜。
飯田研二
嫌な臭いがしますね。白く濁っているようですが、これは出汁が出ているのですか?
星先生
この白くなっているのは汚れなのです。
食材は、加熱した時に出汁や風味が出るので、この段階では出汁が出ているわけではありません。
アサリは、ここで死んじゃいけないと思い、必死に酵素活性も出しているんですよ。
死んでいるわけではないので、出てきた水管は自然と中に戻っていきます。
均等にアサリの殻が開くように、底から混ぜましょう!
そして汚れと砂がしっかり取れたら、水に戻しておきます。
星先生
僕は子どもたちの体内に不純物を入れてはならないと考えています。
アスリートなら、なおさらです。
塩サバ
アサリの次は塩サバです。
鯖はEPAやDHAなどの身体よいあぶらを持っているのです。
青魚はよく生臭いって言いますよね。
それは「皮が薄い」からなのです。
魚の皮の下には血合いがありますよね。
血合いは身体に良いのですが、最も酸化しやすい部分でもあります。
「酸化=劣化」なのです。
酸化してしまったものは、食べた時に特に口に雑味として残ります。
〜塩サバを50度洗いする方法〜
切り身を50度のお湯に入れます。
鯖はタンパク質なので水に触れると、表面が白くなってきます。
これは加熱して白くなったのではなく、タンパク質が水分でふやけた状態です。
50度洗い後に、よく水気を切って冷蔵庫に入れておくとまた赤く戻るのです。
あくまでも酸化しているのは、食材の表面だけなので、50度のお湯に長く浸けておく必要はありません。
その後、一度冷水でしっかりと冷やして50度洗いは完了です!
これで見違えるほど美味しい料理になりますよ!
飯田研二
なるほど、とっても簡単ですね!ちなみに、干物も50度洗いできるのですか?
星先生
干物こそ最高に良いですよ!
干物を食べた時に、喉に何か引っかかる感覚に覚えはありませんか?
それは酸化した脂によるえぐ味が原因なのです。
干物表面の酸化した脂を加熱することで、更に酸化が進みます。
そして、その酸化した脂がえぐ味となるのです。
大人は、レモンをかけたり、大根おろしと一緒に食べたりと、多少酸化していてもえぐ味をごまかして、美味しく食べる術を知っています。
しかし、子どもたちはそなことはしない。
えぐ味の強いまま食べてしまうと、子どもたちは「美味しくない」と感じてしまい、次は食べなくなってしまいます。
また、酸化物は揮発する性質を持っており、酸化物独特のにおいがするのです。
干物を50度洗いしておくと、その匂いが減り子どもたちでも食べやすくなるのです。
子どもたちは特ににおいに敏感なので、こういったえぐ味や臭みがあると食べなくなってしまうのです。
干物そのものが悪いのではなく、食べ方をちょっと工夫すれば良いのです。
調味料でマスキングするのではなく、身体の悦ぶ食べ物にしないと、「次はもういらない」となってしまいます。
ちょっとした一工夫で子どもたちの好き嫌いを減らせるかもしれません!
是非お試しください!
星先生
次回は50度洗いお肉編です。
お肉だって50度で洗えちゃうのですよ。是非お楽しみに!
飯田研二
星先生今日もとても勉強になりました。ありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。
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