皆さんこんにちは!
スポチューバーTV管理栄養士のはるみ先生です。

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今回のテーマは、「補食について」です。

補食の摂り方 タイトル

メニュー
  1. 朝食について
  2. 運動前に筋肉と肝臓にしっかり糖質が蓄えられた状態にする。
  3. アスリートの食事はタイミングと組成が大切
  4. 果物も摂りましょう
  5. 補食のまとめ
  6. レシピ紹介

本題の前に確認です。

みなさん、朝食を食べていないなんてことは無いですよね?

成長期の子供たちは、3食きちんと食べても栄養素が足りないという可能性があります。

ましてや、皆さんはアスリートですよね。
筋肉量が多い分、活動量の多い分、更にたくさんの栄養素が必要となります。

私はいつも、必要なエネルギー量を14歳、50キロの男子を一般的な例として出していますが、身長が高い人は必要エネルギー量は多くなるので更に多く食べる必要があります。

自身の必要なエネルギー量を知りたい方は、「必要エネルギー量を知ろう」のバックナンバーをご覧ください。

自身に必要なカロリー量を知ろう!

自身に必要なカロリー量を知ろう!

朝食について

まずは朝食についてお話をします。

朝食前に何も食べずジョギングをしている方もいるかと思いますが、空腹で運動をすることは厳禁ですよ。

多くの栄養素は12時間ほどで枯渇してしまいます。

夕食時に貯められた栄養素は、睡眠中の生命維持や新陳代謝に使われているのです。

そのため、生命維持を司る栄養素である『肝グリコーゲン』は、起床時には半減してしまいます。

不足した状態では血糖値が下がり、めまいや頭痛、吐き気、意識障害の症状が現れます。

その他にも、筋肉を動かすのに必要な栄養素として『筋グリコーゲン』があります。

この栄養素が不足すると、タンパク質から糖質を作ります。

タンパク質の多くは筋肉に蓄えられているため、筋肉が減ってしまうことになります。

アスリートにとって筋肉が減ることは致命的ですよね。

糖質の枯渇を防ぐよう、食事を必ずとってから運動をしましょう。

更に、肝臓にはミネラルやビタミンが蓄えられていますが、これらの栄養素は睡眠中も生命維持に使われ、起床時には半減状態です。

エネルギーを作り出すためには、ミネラル、ビタミンがともに必要です。

ミネラル、ビタミン不足ではエネルギーが作りにくく、運動のパフォーマンスが上がりません。

更に怪我や貧血、身長が伸びない、体重が増えないなどの成長不良をおこす可能性も大きく、暑い時期は熱中症にもかかりやすいのです。

栄養をしっかりと補う為に、主食と一汁三菜に『まごわやさしい』食材を加えて、果物と乳製品で食べましょう。

甘味は、みりんや甘酒がおすすめです。

何故なら、みりんや甘酒は、腸での吸収が緩やかなため、運動時、後半のタイミングでエネルギー産生効果があるからです。

試合の日は食材の摂り方に注意が必要です。

試合の日は、消化が良い朝食を摂りましょう。

糖質を中心に摂り、脂質や食物繊維が少ないものを選ぶことがポイントです。

お肉から摂るタンパク質は消化に時間がかかるので、焼き魚や大豆製品が良いでしょう。

また、胃の内容物がない方が動きやすいですよね。

消化時間には個人差があるので、「自分がどれくらい食べたら動きやすいか」、「体調はどうか」など、自分の感覚を確認しながら食べる量や内容を決めることが理想です。

食べたもの関わりなく、どんなものを食べても良いパフォーマンスが出せるという方もいますが、運動中にお腹がすっきりしないと感じる方は、自分の消化時間について意識してみましょ

う。

体に糖質はどれくらい貯められるのでしょうか

個人差や年齢によっても違いますが、平均的な成人において

  • からだ全体で蓄えられる糖質は、400g(1600kcal)
  • 筋肉で蓄えられる筋グリコーゲンは、300g
  • 肝臓で蓄えられる肝グリコーゲンは、100g
  • さらに血液内にも蓄えられている血糖は、20g

と言われています。

30分のジョギングには200kcalのエネルギー量が必要です。

しっかりと糖質をからだに蓄えて運動をしましょう。

練習や試合時の糖質補給について簡単にまとめてみます。

運動前に筋肉と肝臓にしっかり糖質が蓄えられた状態にする。

まずは朝食や運動前の食事でしっかり糖質を取ることが大切です。

また、運動中は糖質入りのスポーツ飲料がおすすめです。

水を飲む人は糖質中心のゼリーなどを摂りましょう。

更に暑い時期には熱中症予防のタブレットなども効果的ですね。

運動後は少しでも早く糖質を摂取し、筋グリコーゲンの量を回復させることが大切です。

ハードな練習の翌日に試合がある場合、試合時間までに筋グリコーゲン量が回復できず、試合中に糖質が枯渇し、集中力が無くなることがあります。そして夕食でもしっかり糖質を摂るようにしましょう。

アスリートの食事はタイミングと組成が大切

朝食を食べるタイミング

食事摂取後、胃の消化には2〜3時間かかります。

食後2〜3時間後に運動を開始するのが理想的です。

ですから、アスリートの皆さんは、運動の開始時間に合わせて食事を摂ることが重要です。

また、消化などの内臓の働きは体内時計に合わせて動くため、毎日の体内時計を試合時間に合わせて生活習慣を整えることも重要です。

まずは、毎日の朝食を、練習や試合の時間に合わせて摂る習慣をつけましょう。

試合時間が練習日よりさらに早い時は、試合時間に合わせて最低でも3日前から朝食の時間を早めておくことが理想的です。

試合の日だけ早起きして朝食を食べて、「胃腸が重い」と感じたことはありませんか?

これは、胃腸がまだ起きていない状態で食事をしたため、消化がスムーズに進んでいない状態なのですよ。

だからこそ、体内時計を整えることはとても大切ですよね。

毎日同じ時間に早起きをして太陽の光を浴び、同じ時間に朝食をとれば、体内時計を整えることにつながります。

体内時計の詳しい整え方は、以前上げた秋バテについてのバックナンバーをご覧ください。

秋バテを予防する生活習慣

秋バテを予防する生活習慣

アスリートの補食はタイミングと組成が大切

補食は「摂るタイミング」と「組成」が大切です。

運動時には、糖質と脂質からのエネルギーが生み出されます。

脂質はからだに蓄えておくことができますが、糖質はすぐに枯渇してしまいます。こまめな糖質の補給が大切なのですよ。

運動のタイミングに合わせて、運動前・運動中・運動後の栄養補給をしましょう!

さらにアスリートは一般人と比べて基礎代謝量が多いですから、普段から補食を摂るようにしましょう。

成長期に身長に比例して体重が増えない時は、摂取カロリーが足りていない可能性が大きいので、食事量や補食を増やしましょう。

運動前

運動のタイミングに合わせた補食を選びましょう。

運動前の補食は、朝食の時間や内容も関係しています。

朝食が摂れていれば、午前の運動前には糖質の補食は必要ありません。

朝食が摂れていない時や量が少なかった時は、運動の開始2時間ほど前に『おにぎり2個程度』を食べておきましょう。

また、開始時間の30分ほど前なら、消化が良く脂質が少ない『パンやカステラ、バナナ』を摂りましょう。

運動の開始直前は内臓に負担をかけず、かつ血糖値を上げにくい糖質の『スポーツゼリーや果物』が良いでしょう。

1日に試合が連続してある場合、次の試合の時間に合わせて糖質を補いましょう。2時間空いていれば食事に近い状態でとり、最低おにぎり2個は食べましょう。

30分の時はあんぱんやカステラ、バナナなどが良いですね。

パンは脂質が少ないもので選びましょう。

すぐに試合の時はゼリーや羊羹や果物を摂りましょう。

運動直前の糖質の摂り方に気をつける必要がある人

試合前は血糖値を上げすぎないことが大切です。ですから糖質の摂りすぎに注意が必要です。

試合の入り際に集中力がない、パフォーマンスが発揮できないという選手は、試合直後の血糖値スパイクがある可能性があります。

日頃から糖質の摂り方を意識し、練習前のスポーツ飲料を砂糖や果糖ブドウ糖液糖入りのものから『果糖(フルクトース)』のものに変えてみましょう。

また最近注目されている新しい糖質、『パラチノース』がおすすめです。

腸での吸収が緩やかで、試合の後半でのエネルギー代謝に働く糖質です。

また、試合中や練習中に水分が取れる種目は、試合30分前から水にして、運動中にスポーツ飲料で糖質を摂ると良いでしょう。

マラソンなど、持久系の種目で、水分をとる回数が少ない種目は、運動前にパラチノースという腸でゆっくり吸収される糖質を摂りましょう。

運動中の補食の量

2時間以上の運動の場合は、間に補食を摂りましょう。

基本的には、補食としてスポーツ飲料が良いです。

スポーツ飲料には、必要量の糖質と電解質が含まれているので、薄めずにそのまま使用しましょう。

糖質が少ないようなら、先程お話した『パラチノース』を追加すると良いでしょう。

パラチノースは甘味が砂糖の半分であり、飲み物に足しても甘味の変化が少ないです。

1時間あたり30gの糖質を摂りましょう。

30gの目安として、
  • 一口羊羹 34g
  • スボーツゼリー(1本) 約25g
  • バナナ(1本) 21g
    (1本は170gほどで可食部は100g程度。)
  • スポーツ飲料(500ml) 約23〜30g

運動後の補食

これまで、14歳、体重50kg、野球部、男子を例として、必要カロリーを計算していました。

この場合、補食は300Kcalが目安です。

みなさんの1日の必要カロリー中の1割程度を目安にしましょう。

しかし補食でお腹一杯食べてしまうと、食事が食べられなくなってしまいます。

ですから補食は、運動で不足した栄養素を中心に摂りましょう。

目安はタンパク質10g、糖質30g以上です。

運動後は、筋肉中の糖質である『筋グリコーゲン』が不足しています。

筋肉を動かすエネルギー源の糖質を補給してあげる必要があります。

翌日も試合の時は筋グリコーゲンの回復がパフォーマンスに大きく影響します。

少しでも早く糖質を補給することが大切です。

運動後30分以内でとることが望ましいのです。

さらに、運動により筋肉は損傷しています。

筋肉の損傷回復と筋肉肥大を促すためには、タンパク質を摂ることが必要です。

食品での目安として、

  • 糖質は、1個と果物
  • タンパク質は、乳製品1個と他の食品を1個

摂りましょう!

糖質量やタンパク質量は、『糖質のとり方』『タンパク質のとり方』の動画に詳しく記載しています

糖質の種類と摂るタイミングを知ろう!

糖質の種類と摂るタイミングを知ろう!

身体を作る重要な栄養素!タンパク質の摂り方を知ろう!

身体を作る重要な栄養素!タンパク質の摂り方を知ろう!

糖質は多く摂取するくらいが良いので、コンビニなどのスイーツ類もこのタイミングで食べると良いでしょう。

また、水分もしっかり摂りましょう。

オレンジジュースはクエン酸と糖質が多くて運動後に飲むと良いです!

糖質が多いもの、タンパク質が多いものを挙げていますのでご覧ください。

果物も摂りましょう

果物の効果は、

  • 吸収が早い果糖が含まれている
  • 果物はクエン酸が多い
    クエン酸は枯渇した筋グリコーゲンの回復を高め、筋肉の疲労を防ぎます。
  • ビタミンCが多い。
    ビタミンCは活性酸素除去の働きがあります。

補食のまとめ

  1. 空腹で運動をしない!
    朝食はしっかり食べましょう。
    朝食がとれなかった場合は、運動前に補食を糖質で摂りましょう
  2. 2時間以上の運動では補食を!
    1時間であたり30gの糖質を摂りましょう
  3. 運動後30分以内に補食を摂る!
    糖質1つ+タンパク質1つ+果物と乳製品
  4. 水分補給も併せてしっかりする
    熱中症の注意が必要な季節です。
    以前投稿した、熱中症対策の動画を見て、意識的に水分を摂りましょう!

ジュニアアスリートの栄養学 〜熱中症対策〜

ジュニアアスリートの栄養学 〜熱中症対策〜

また、補食の早見表を作りました。

こちらも参考にしながら、補食を摂ってください。

次回は熱中症を予防するドリンクの作り方についてお話をします。

今回使用したテキストはこちらからダウンロードできます

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